表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/59

Re27 魔法少女の憤り

今回短めです

 さて、アルクに頼んだから精霊国軍の戦力は時期に撤退してくれると思うんだけど、それにしても敵味方入り乱れてる戦場でいきなり背を向けて撤退と言うのも無茶な話だし、何とか私の方で支援できないかな。

「とりあえず……空間魔法でも使って敵と味方を隔離……? いやいや、こんな混戦じゃ空間を切り離す作業だって凄くしんどい、というか下手に弄り過ぎると空間制御に問題とかあるかもしれないし。穴空いたり歪んだりしたら責任取れないよね……」

 こればっかりは私の魔法じゃないから経験のないことだし、使えるのと使いこなせるのって別問題なんだよね……強力な力程扱いに困ることも多い。

「……よし、ちょっと大変だけど両軍の兵士に魔導障壁を張って戦えないようにしようかな?」

 これなら空間を弄ったりしないから大きな問題は起きないはず。

 そしたら後は障壁が邪魔で戦えないところに、撤退の命令が出れば精霊国側は下がるだろうし、魔族だってそんな状態で深追いはしないと思う。

「うん、よし。これで行こう」

 という事で早速魔導障壁を全軍に張る。

 見た感じこれを突破できる力を持った相手もいないみたいだしこれならとりあえず、一旦は安全だよね。

「後はアルクと精霊国次第かな」

 そう思いながらとりあえず本当に何事もないか戦場に目をやる。

 ところどころでこの障壁に戸惑いながらも戦おうとしている姿が見えるけど、どこも障壁を突破できないからお互いに無意味な攻撃を続けていたり、所によって諦めて様子見してるのも見受けられる。

 このままなら撤退命令が出て、一旦は戦争も終わりだよね。

 そう思いながら、私がしばらく様子を見ていると、アルクが飛んできた。

「おかえり。軍は退いてくれるって?」

「いや、それがな……」

「ん?」

 この感じだと断られてしまったのかな。

 実際に今のところ精霊国側に撤退の意思は見られない。

「あの魔法。メグルのもので間違いないか」

「魔法? ……あぁ、魔導障壁? そうだよ」

 魔法少女的には魔法じゃないんだけど、まあこっちの認識なら間違ってないよね。

「あれを敵軍だけ解くよう要請された」

「…………へえ」

 何それ。ちょっとよくわからないな。

「いや待て、私は確かに伝えたぞ? だがな、その、ここで奴らを叩いておかねば、お前が去った後も、攻めて来る危険があると……」

 なんかアルクが凄く焦って弁明してるんだけど、どうしたのかな。

 それにしても、その理屈はちょっとおかしい気がする……。

「そんなのここで戦っても同じじゃない? なんならそんな一方的に襲ったら恨みも買うし、私が居ないのを良いことに今度はもっと大軍が来るかもしれないよ」

「そうかもしれない。しかし、軍はそう考えていない、ここで一方的に叩けば次からはそれを恐れて手出しは無いはずだと。だから奴らは退かない」

「……そっか」

 なんかもう、本当に、どっちもわからずやで困っちゃうね。

「分かったよ、魔導障壁、解くよ」

「……いいのか」

「うん」

 誰も彼もわからずやでホント困る。皆好き勝手やって、精霊国なんて私を利用して戦果を上げようなんて本当に困るね。

 そして困りついでに、私の怒りの限界だから、ちょっと強引にいかせてもらおうかな。

「アルク、またお願いがあるんだけど」

「なんだ?」

「死なないように遠くの空でも飛んでて欲しいの。終わったら空に魔法を打ち上げるから、戻って来て」

「……わかった」

 アルクは何かを察してくれたみたいで、私の話を素直に聞いてくれた。

 アルクを巻き込むのは本意じゃないから、聞いてもらえてよかった。

 私はアルクが飛び去るのを見ると、全軍の魔導障壁を解除した。

「さて、それじゃあ、喧嘩両成敗ってことで、全軍、覚悟してもらうよ」

 魔法少女の裁量により、両方悪ってことで。ぶっ飛ばす。

 私は戦場を見渡せる両軍の端っこまで行って、魔術を展開する。

「両軍合わせていくらくらいだっけ……五十万くらいだっけ? よし」

 それなら決まりだね、出力は全力で撃つとこの大陸が消し飛びそうだから多少は抑えるとして……っと。

「久しぶりにこんなに魔術使うからコントロールできるかなー」

 同時に収束砲を発動すること自体は私個人としてはそこまで大変ではないんだけど、威力の調整とか数が数だからそれだけの魔術を発射する空間の確保とか魔術と魔術の間隔調整とかが面倒かも。

「なんて思ってる間に準備完了。いっぺん死んでみる? ってことで……」

 私は雑なパクリをかますと同時に、両軍に向けて魔導収束砲を構えた。

 その数五十万。一人当たり一発。

 対象を捕捉して、できるだけ均等に打ち込む構え。

 ほとんどの相手は死ぬだろうなぁ……。

「でも大丈夫、魔法で生き返るからね……」

 まあでも、彼ら兵士が悪いってわけでもないんだけどね。頑固な上司が悪いんだけど。

 だからこそ両軍の指揮者にはあとでキッチリ反省してもらう。

 両軍全滅したのを見たら、話も聞く気になるよね。多分。

「はぁ、政治とかの話が出来たら、アニメとかの主人公みたいに暴力以外でも解決できたのかなぁ」

 私は魔法少女だけど、物語の登場人物みたいに上手く物事を解決は出来ない。

 できるのはこの力で己の正義を押し通すことだけ。

「……なんか罪悪感と自己嫌悪が凄い……さっさと終わらせよう」

 気持ちを切り替えて、私がこれから滅ぼす五十万の命を見る。

「……シュート」

 魔術を発動した。

 無数の光の線が戦場を覆い、大地を砕き、抉る音だけが大きく響く。

 響き渡る轟音が空気を揺らす。

 そしてそれらが終わった後に残ったのは、ただただ荒れ果てた大地。

 そこに人が、魔族が居た痕跡すら残らなかった。

「……これで両軍の指揮官が話を聞いてくれるといいんだけどな」

 精霊国と魔王軍、両軍の指揮官には今回の戦争、話し合いで解決してもらおうと思っている。

 私が引きずり出してでも、話合わせる。

 そしてその結果次第で、順次兵士を蘇生する。

 時間の巻き戻しと再利用……それともう一つ。条件は揃ってるからそれくらいは出来る。

 ドラゴン〇ールじゃないけど、魔法の所為で(おかげで?)人の命が軽くなってる感覚がある。

「はぁ……嫌な戦いだなぁ……」

 そう思いながらも、止まってるわけにも投げ出すわけにもいかない私は地上に降りて、話すには困らない程度の場所を見つけると操子ちゃんの魔法を使った。

 空間移動の魔法を両軍指揮官に使う。

 ここに呼び出して話し合いをさせる。

「さてと。今度はちゃんとわかってもらえるといいな」

 私は空間から現れる二人の人物の影を見ながら、そう呟いた。

ご読了ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ