表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/59

Re22 魔法少女と戦場

「今度はうじゃうじゃいるなぁ……」

 今、私は精霊国と魔王軍の戦いの最前線、北の高原の遥か上空に居るのですが、帝国の時と違い、こちらは両軍ガッツリやる気満々。

 ドラゴンのアルクの威嚇で終わってくれないと、本当に殺し合いが始まってしまう状況です。

「アルク、魔族を追い払うの、何とかなりそう?」

「それは分らないが……というか、その、なんでだ?」

「……何が」

「何故聞きながら目を逸らす。わかっているのではないか?」

「…………まあ」

 多分アルクが言ってるのは私の位置のことだ。

 今私はアルクの背中(どちらかと言うと首元かも知れない)に乗っていた。

「何故飛べるのに私に乗っている」

「えぇっと……そのー」

 何と言うべきだろう、アルクにわかるように、理解してもらえるように言うには……。

「ほら、アルクって強いでしょ?」

「メグルに言われると嫌味にしか聞こえないが?」

「……まあ、それは置いといて。そのアルクに魔法少女の私が乗っていると、ほら、強いドラゴンに乗ってる私も強く見えるでしょ?」

「……つまりドヤ顔をしたいと」

「違うよ……。強大な龍と、それを従える強大な魔術師、こっちの方がより相手の戦意を削れるでしょってこと」

「従わされた覚えは無いのだが」

「私もそんなつもりないけど、まあ、そういうお芝居かな」

「……ふむ」

 そう言ったきり、アルクは黙ってしまう。

 やっぱり嫌かな、こういうの。

「……従わせる?」

「やろう、お芝居」

 冗談で言ってみたんだけど、どうやらアルクのやる気に繋がったようなので、よしとしよう。

 なんか、それこそ無理矢理従わせたみたいになっちゃったけど。

「それで、何をすればいい」

「そうだなぁ。とりあえずこのまま地上まで降りて行って、精霊国を背負うように着地、そのまま魔族側にブレスとか」

「それだと魔族側が大半死に絶えるが?」

「もちろん当たらないようにね。牽制だから」

「ふむ、承知した」

 ということで、かなりざっくりした演出だけど、早速行ってみよう。

「ゆくぞ!」

 アルクは掛け声とともに、急降下を始めた、そして物凄い速度で着地すると大きな地響きと砂埃を上げ、敵となる魔族軍を見据え……るはずだった。

「……アルク、そっちは精霊国だよ」

「…………これは、アレだ、振り向きざまにブレスを吐いた方が、ほら、カッコいいかなと」

「……そうなんだ」

 絶対間違えたよね、アルク。

「喰らえ魔族っ!」

「喰らわしちゃ駄目だよ」

 私の忠告はちゃんと聞こえていたのか、魔族の後方にブレスを放ち、結果、遠目にあった山を消し去ることになった。

「わー、これはスゴイ牽制になりそう。……でもあそこに誰かいたり、動物とかいたら死んじゃうね」

「え……あ、あぁ。そうだな」

「後でお説教だからね」

「えっ…………はい」

 さて、とりあえずこれで、やることはやったし、魔族も引いてくれるといいなぁ。

 せめて今日は止めとこうかな。くらいに思ってくれるのでもいいけど。

 そう思っていると、不意に上空に魔力反応を感じた。

「何……?」

「ごきげんよう、メグルさん」

「……貴女は?」

 私とアルクの上には銀髪に紫紺色の瞳の女性が飛んでいた。

 なんで彼女がここに居るのか、何故私を知っているのかはわからない。

 ただ、わかるのは、彼女もまた魔法少女だということ。

 年齢的には二十代前半っぽいのに、白をベースに紫のフリルの付いた服を着ている。

「私は古計時音、貴女と同じ魔法少女です」

「あぁ……魔王側の」

「えぇ、そう。真央側の」

「……?」

 何か今若干の違いがあった気がするけど……まあ、いっか。

「それで、何の御用ですか」

「えぇちょっと、貴女が目障りだったから。邪魔をしにね」

「あー……なるほど」

 つまり彼女は私がアルクと一緒にこの戦いを止めようとしているのが気に入らないとか、そういうことなんだろうな。

「ちなみに、具体的にどう邪魔するんでしょうか」

「そうね、こう、かしら――」

 彼女はそういうと、何かの魔法を発動し――。

「……え?」

 私とアルクは、空に居た。

 下を見ると先ほどまでのように、精霊国と魔族軍がにらみ合いをしている。

 そしてそこから、一人の人物が高速で登って来る。

「これは……引き戻された? ……時間の巻き戻し?!」

 なるほど、これが彼女の魔法か。

 名前に時とか付いてる魔法少女って大抵こういう事するなって、私思ってた!

「アルク、気を付けて、彼女は魔法少女だから、私と同じくらい強いかも」

「何? じゃあ逃げてもいいか?」

「……すっごく頼りないこというね」

「足手纏いが居るよりいいだろう?」

「じゃあアルクは一人で下の戦争、止めてきてね?」

「……むぅ。協力しようではないか」

「うん」

 という事で、アルクと一緒に時音さんと戦う事になったわけだけど……。

「! これ収束砲撃とうとしてる? あの速度で飛びながらってどんな魔力して……」

 私でもあんな高速で飛びながら高威力の収束砲をチャージなんて出来ないし、狙いだって付けられない。

「私が収束砲で正面から受けるからアルクは一旦下がって!」

 そう言って私はアルクから飛び上がると、収束砲で迎え撃つ準備をした。

「あっちが高速移動しながら来るなら、こっちは止まって迎え撃つ……三倍でいくよ!」

 私は時音さんに狙いを定めて三本分の収束砲を構えた。

 そして、時音さんの発射に合わせてそれを一斉に放った。

 しかし。

「ちょっ?!」

 私の収束砲は全て掻き消され時音さんの攻撃だけが私に向かってくる。

 真正面から打ち破るつもりだったし、他の魔術を発動する余裕はない。

避けられない……マズイ。

「どけ!」

 私が負けた時のことを考えていたのか、それとも咄嗟の判断か、近くで待機していたアルクがブレスで向かってくる攻撃を相殺してくれた。

「あ、ありがとう」

「うむ。しかしなんだアレは、もしかしてお前より強いんじゃないのか」

「……うん、かもね」

 三倍撃ったのに、一発に負けるとか想定外だし、私の魔力だと一発辺りの威力はアレが限界。

 あの人どんだけ魔力あるのよ……高速で飛びながら私の三倍収束砲より高威力な魔術を放ってくるとかインチキじゃないだろうか……。

「これ……勝てるかなぁ……」

 正直かなりしんどい気がする。

 何しろこの高機動高火力に時を戻す能力まであるとか……。

 これは久しぶりに本気でやる必要があるかもね。


ご読了ありがとうございました!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ