43、ヒロインの作る料理が黒焦げになる
安心してください、もう不要なルビに悩まされる心配はありませんよ。(筆者のせい)
ヒロインが試行錯誤して作った料理がいつも黒焦げ。主人公達は上手く回避するか、さもなくば体調を崩すかします。中には、黒焦げを通り越して『炭化』しているものまであります。
さて、よく小説では『ヒロインが絶望的なまでに料理下手』という設定をよく見かけます。現実で料理が黒焦げだと萎えてしまいますが、小説だとクスリと笑みがこぼれるくらい微笑ましいシーンです。主人公があからさまに料理を敬遠している様、それを見てヒロインが『次こそは!』と料理がうまくなることを決意する。なんだかほのぼのしませんか?
『いつも通りの展開過ぎるから、たまには全部完璧にこなすヒロインを登場させてくれ!』と懇願しそうになるかもしれませんが、そう焦ってはいけません。現実と小説は違います。現実の『いてくれて助かる人』と小説世界での『登場して欲しい人』が必ずしも同じとは限りません。
一つ、例をあげましょう。全自動家事ロボットがあなたの家に一台設置してあった時、あなたはどう思いますか? きっと、『便利だな』と感じるはずです。では、恋愛小説でもなんでもいいので、主人公(男)がヒロインと家事ロボットを天秤にかけた挙句ロボットを選んだら、あなたはどう感じますか? 『そこはヒロインを選べよ!』とツッコみたくなりませんか? ロボットが主題の小説などの特別な事由の無い限り、『ヒロイン』は読者の願望が詰まっているのに対して、『ロボット』は無機質で無駄に現実世界が混ざってくるがために味気があまりしません。無加糖のヨーグルトです。
同じように感じるかどうかは個人差があると思いますが、完全無欠なヒロインよりはドジ要素を含むヒロインの方が現実味があって好む方が多いのではないでしょうか。『完全無欠』は非現実的なのに対し、『ウィークポイントを持っている』は普通のことだからです。
なので、どうかヒロインが食材を炭にしたり、ギリギリ食べられるレベルのタチの悪い料理下手のタイプだったりしても、応援してやってくださいね!
----------今回のまとめ----------
満面の笑みで炭を前面に押し出すのをやめてもらっていいですか?
完結まであと:57
to be continued...
ヒロインがドジだからこそ主人公との接点も生まれやすい。(のかな?)
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『あるある』だと思った方、共感してくださった方がいれば幸いです。




