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目を閉じれば  作者: さち
第1章 止まった時間と冷えた心
6/33

2015年2月23日 11時

数学は好きだ

答えは絶対に一つだし

何より裏切らないし、嘘をつかない

出たことが全てだ


配られたプリントを淡々と解く

特進クラスと言われたここは

どの教科でも他のクラスとは違い

緊張感があった


特に数Ⅱをやっているいま、

来年、文系クラスに行く人は本来やらなくてもいい

なのにそれでも必死でやっているのだ


問題を解き終わり、シャーペンを置く

そして窓を見る

鳥が飛んでいた


自分も自由になれたら

少しは楽になれるのかな

いつかこの苦痛に満ちた感情から解放されるときは

来るのだろうか

その前に命が尽きるか

どっちが先だろうか


2年前の春

自分は自殺未遂をした

未遂だったからこそまだここにいるのだ


あの日、バケツに入れた腕を引き上げなければ

死ねていたかもしれない

けれど自分の意思で腕を引き上げたのだ


なぜそうしたのか今なら少しわかる気がする

まだ誰かを本当は信じたかったのだ

自分は一人じゃない

きっと、いつか自分自身が幸せになれる日が訪れると

苦痛と絶望に満ちた毎日から救われる日が来るのだと

信じていたかったのだ

けれど状況は何一つ変わらないまま2年という

月日が流れていた


この時の自分はまだ知らなかった

約8ヶ月後

「自分の幸せは

自分が犠牲になってでも

みんなが笑っていること」

そう考えて生きるしかなかった自分に

それが間違ってるとはっきり教えてくれる人に

自分の止まった時間を動かすきっかけを作ってくれる人に

失ってしまった様々な感情を取り戻させてくれる人に

会うことを

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