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目を閉じれば  作者: さち
第1章 止まった時間と冷えた心
3/33

2015年2月22日 9時

この日は3年前に亡くなった祖母の命日だった


母親が離婚し、祖父母の家で住むことになった

小さい頃は仕事ばかりだった

シングルマザーだからと言えば仕方ない

そう思うが、小学生の頃は朝20分顔を見ればいい方だった

祖父母に育てられたと言っても過言ではなかった


そんな中、祖母の認知症が発覚した

しっかり者で、何でもできた祖母

そんな祖母が段々と色んな事ができなくなり

寝たきりになるのを目の当たりにした


祖父も母も祖母の介護に付きっきり

小学校高学年になった自分は

「あんたなら大丈夫でしょ」

その一言でご飯を与えられる以外は放置されていた

何とも思わなかった

既に自分が壊れているという自覚はあった

8歳のとき起きたある出来事により

この世には希望なんか持てず、絶望しか見えていなかった

人の汚いところを全て知っていた


物心ついた頃から、

ご飯は「生きるために必要だから食べる」

そういう認識でしかなかった

誰も見ていなければ1日1食さえ食べないこともあった

自分は最善の死を模索しながら

ただそれの時間稼ぎの為にご飯を口にした


最善の死はなかなか見つからない

けれど生きることが嫌になった

でも死ぬことはできなかった

その代わりに始めたのが

自傷行為、所謂リストカットだった

小学生のときはハサミ

ただのみみず腫にしかならなかった

中学生になればカッターに手を出した

カッターは格段に快感の度合いが違う

切ればすぐに傷口が開き

そこからは赤い液体が手首や腕を伝う

それが出れば出るほど

死に近づいてる気がして嬉しかったのだ


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