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目を閉じれば  作者: さち
第2章 動き出した時間
15/33

差し込んだ光

2015年10月10日


月曜日にポールがあたったことで

むちうち状態になり

首も痛みのせいか動かせなくなっていた

それを見かねた母が

整骨院に連れてきたのだ

母は元々そこに通っていて

自分のことを度々話していたため

先生たちに認識はされていたらしい


「あずさちゃん」


ちょっと体ががっしりとした男の先生に

呼ばれた


そのあと色々質問されたが

学校の先生以外とはまったく関わりのなかった4年半

男の人とどう話せばいいのかわからなかった

だから、頷くか首を振ることしかできなかった


眉を下げ、困った顔をした

その人が自分を救ってくれることになるなんて

このときはまったく考えもしてなかった



そのあとも部活でかなりの頻度で怪我をした自分は

よくそこに通うようになった

次第に先生たちとも普通に話せるようになったが

心を開くことはなかった



それに気づいたのも貴方だった

















11月半ば頃だった



「俺の名前、なんて読むと思う?」



葉山 臣史


「はやま…」


でもすぐにわかった

その下にすぐローマ字でふりがなが

書いてあった


「お、みと…」


「よく読めたなー!」


そう言って頭を撫でられた


びっくりした

頭を撫でられたのは久しぶりだった

誰に撫でられたのかも覚えていなかったが

懐かしい気持ちになり

安心した




その数週間後

何の気まぐれだったかはわからなかったが


珍しい名前だった貴方は

Twitterで検索すればすぐに見つかった




そこからだった





自分の止まったままの

8歳のあの日で止まっていた

時間が少しずつ少しずつ

錆び付いて固まってしまった針が動き出したのは












ねぇ、臣史くん

貴方に出逢わなかったら

今、生きてたかな?





たぶん、貴方がいてくれたから

ここまで生きて来れたんだよ



ありがとう…





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