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目を閉じれば  作者: さち
第1章 止まった時間と冷えた心
13/33

2015年10月3日

文化祭、1日目

周りはみんな浮かれていた




なんであんなに楽しそうなんだろう



楽しいって最後に心の底から思ったのはいつだった?

それさえ思い出せなかった



中2、中3、高1と

文化祭直前の練習中の事故などにより

当日は見学することが多かった自分


今年はやっと全部の演目に出れる

しかし、これが最後だ



朝一で部活の同期に捕まり、

毛先を巻かれた

元がストレートな為、巻かれた毛先が顔にかかるのが鬱陶しい

スプレーもかけられたはずだったのに

体操部の発表の時間にはほぼそれは取れていた



終わったあと色々な人から

「すごかったね!」

という言葉をもらった


母も来ていた

あの人のいる前で失敗なんて許されない

笑顔でいなければ…


苦しい、苦しい

辛い…

ずっと笑うのって


泣きたいけど、泣くこともできない

安心できる場所も

安心できる人も相談できる人もいない



不安になれば無意識に左手を触わる


その痛みだけが安心できるものだった

人は裏切るが

この傷は、この痛みだけは

絶対に裏切らない

絶対的に変わらないものしか信じれなかった


誰かを信じたところで

また裏切られたら、

またその手を離されたら


今度こそ耐えられない


ただ怖かったのだ

ただ臆病だったのだ







あの日と同じような思いをするのが

どうしようもなく嫌だった


左手のリストバンドの下にある傷は

自分が誰も信じられなかった証拠であり、

罪の証であり、

恐怖や不安の象徴でもあった


過呼吸になるたびに切っていた

不安になる度に切っていた


腕が血だらけになる

つまり不安は常にあり

過呼吸もかなりの頻度で起きていた




苦しい

辛い

助けて

誰か傍にいて




誰かにそれを言えていたら

この不安も苦しみも

少しは楽になるのかな…




そんな誰かは現れる…?






その誰かは1週間後出会う人物だった





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