第一章 LOVE&愛 三話 魔王エドリナ
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「なぁ、エドリナ」
「ん~?」
「そろそろ離れてほしいのだが.....」
「ん~? それは不可能かな」
「なぁ、エドリナ」
「ん~?」
「エドリナは何者なんだ?」
「ん~? それはまだ内緒だよ」
今は、ジィから案内された俺の部屋にいるのだが、ずっとエドリナが離れない。見た目とのギャップですごくかわいいのだが.........。
「でも、今日の夜にはわかると思うよ?」
「何が?」
「私のこと」
「まぁ、エドリナはエドリナだしな、あんまり気にしないことにするよ」
「はぅ~、セオン♡」
ギュッと正面から抱きしめられた。
「ちょ、恥ずかしいって...」
「いいじゃん! 夫婦のスキンシップみたいなものだよ!」
夫婦でのスキンシップの回数が異常だと感じるが、そこは触れないでおこう。
◇
‶コンコン″
俺らが夫婦のスキンシップとやらの時間をしているときに、不意に扉から音が鳴った。
「入れ」
「失礼します」
急にエドリナの態度が変わり、張り詰めた空気へと一変する。the大人の女性って感じがするから、こっちもこっちでいいね。
「エドリナ様、皆さまがお揃いになりました」
「すぐに行く」
「何かあるの?」
「うん、セオンも来て?」
「う、うん」
やけに真剣な顔つきなエドリナに俺は何事かと一瞬思ったが、エドリナの指示に従い、付いていくことにした。
「ここに座って」
「わ、わかった」
先ほどの自室から相当な距離を歩き、やっとの思いで着いたのが、王座とでも言うべき空間であった。そして、不思議なことその1が起きた。なぜなのかわからないが、いつもなら王が座るような場所に俺は座らされた。
そして、不思議なことその2は俺の目の前には明らかに強そうな魔族が6人いることだ。しかも、首を垂れている。どういうこと?
「どういうこと? って顔をしてるね?」
「だって、首を垂れられることなんてしてないし」
「それはね、私の夫になったからよ」
「ん?」
「我が名はエドリナ、魔界の王である魔王である」
「「「「「「はっ!」」」」」」
魔王ねぇ~.....魔界の王だからバカみたいな強さの持ち主だよね。ん? エドリナが魔王?
「えぇええええええ!!!!!」
「ふふふふふ、驚いた? 少し雰囲気を出すために口調も変えてみたの!」
「ど、どういうことだよ! エドリナが魔王だなんて」
正直どこぞの姫様を連想していたが、そんな妄想は儚く散った。魔王って...魔王って...。
「嫌いになった.....?」
エドリナはこの世の終わりであるかのような顔をしていた。
「嫌いになるわけないだろう? ただ驚いただけだよ」
「ホント!? よかった~」
いや、どういう経緯で魔王になったんだ? あの虫すら殺すことが出来なかったエドリナが魔王だなんて大出世にも程がある。
「ど、どうやって魔王に?」
「だって、セオンと結婚できるにはこれしかないなって思ったから...」
「そのためになったの? 魔王」
「そのためとか言うな~。頑張ったんだからねっ!」
俺と生き別れて7年。俺が想像できないほど努力したのが分かる。何だか嬉しいような申し訳ないような2つの気持ちが混合している。
「ん!」
エドリナは頭を急に出してきた。
「あ、あのーこれはどういうー」
「なでて」
「みんな見てるよ?」
「なでて」
「で、でも.....」
「なでて」
さっきの自室でも夫婦のスキンシップとやらは半強制スキンシップであったから、もうこうなったエドリナは手が付けられないということが分かっていた。
「なでなで」
「う~~~ん、気持ちいいぃ~」
「はははは、それはよかった」
このときはまだよかった。
だが、このあとのエドリナとの悪魔の食事は俺の想像を遥かに越すことはこのときの俺はまだ知らない。。
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