第一章 LOVE&愛 一話 ん? エドリナ?
遅くなり真にすいません! これからこちらも定期的に投稿させていただくのでよろしくお願いします!!
「セオン...だぁいすき♡」
「ちょ、くっつきすぎだ」
「えぇ~、いいじゃん」
「は、恥ずかしいだろ!」
「恥ずかしがるセオンもかっこいい~♡」
「はぁ...」
エドリナとの【婚約の儀】を行った後から、エドリナは俺から一度も離れていない。エドリナは豊かなスイカを俺の腕に押し付けながら、好き好きと連呼してくる。
いや、嬉しいことだよ? でもね、理性というものが持つ気がしません。昔は幼い顔立ちだったのが、今では1000人に聞いても1000人が美しいと答えるような絶世の美女へと変貌を遂げたのだ。
「そういえば、エドリナはどこに住んでいるの?」
「お城だよ」
「へー、そうなんだ——————————って、え!!??」
「えっへん! すごいでしょ? ほめてほめて」
「すごいすごい。で、なんでだ?」
「むっ! 流した! でもね、それは着いてからのお楽しみ!」
エドリナが城に住んでいるだと? 最近条約が結ばれたからその影響かな? やばい、疑問しか出てこない。まず、何で俺の居場所がわかったんだ? エドリナは何者なんだ?
そんな思考が俺の頭を巡っていた間に、邪悪さが際立つ巨大な門の前にやってきた。
「これは?」
「魔界への門だよ!」
「魔界の門!?」
魔界の門って人族が出入りすると死ぬんじゃなかったけ? まさか! 俺のことを合法的に殺そうとしているのか!?
「セオン今ものすごく変なこと考えてない?」
「あぁ、とってもやばいことを考えてた」
「あはははっ! やっぱり! でもね、大丈夫! セオンの心配していることは起きないから!」
「そ、そうなのか?」
「当たり前だよ! 私の愛する人だもん!」
「そ、そっか」
そういうことをストレートに言われると、素直に嬉しい。
「じゃあ、入るよ?」
「あ、あぁ」
「ふふふ、緊張かな?」
「しょうがないだろ!」
エドリナは俺の手に自分の手を絡め、恋人...いや夫婦繋ぎをした。その行為に俺は顔を赤らめてしまった。
「可愛い♡」
そして、俺らは魔界の門をくぐった。一瞬にして辺りの景色は変わる。先ほどまでは晴る太陽の下でいた世界が、今は太陽がない暗闇の世界。唯一の明かりは月である。
「ここが魔界?」
「そうだよ。暗い?」
「うん、少しだけね.....」
「でも、すぐに慣れるよ! 私も最初は嫌だったけど、これもこれでキレイだと思うようになったよ?」
確かに街の明かりと月の明かりが暗黒な世界にマッチしており、何かこれもこれでいい感じがするな...。
「じゃあ、いこ?」
「う、うん」
エドリナは俺の手を引っ張り、先導した。
【転移】
エドリナはそう言うと、また景色が変わる。俺の目の前には魔界の門とは違く、気味悪さではなく豪華さが漂っていた。まさか、城ってここのこと? いやいや、それはないな....。
「ほらほら、入ろ?」
「え? なんで?」
「なんでって、ここが家だから?」
「え...家って。待って! ここエドリナの家なの!?」
「だから、さっきから言ってるじゃん! ここが私の家!!」
頬を膨らませながら少し怒っているエドリナ、可愛い......じゃなくて! 本当にここがエドリナの家? エドリナって何者なんだよマジで...。
そして、俺はエドリナのなされるがままに城へと入っていった。
◇
「おかえりなさいませ、エドリナ様」
「ただいま」
「執事だと....」
「エドリナ様、こちらの方は?」
「私の愛する人よ」
「ということは、セオン様ですね?」
「は、はい!」
久しぶりの執事で緊張をしてしまった。
「お会いできて光栄です。私の名前はフォン=ジィでございます。気軽にジィとお呼びくださいませ」
ジィとはまた言いやすいい名前だな。
「では、こちらへ」
俺はジィに誘導されたため、一時的にエドリナと絡めていた手をほどき離れようとした。
「セオン? 何で手を解いたの?」
「え、だってジィさんがこっちに来いって.....」
「でも、理由にはならないよね? ね?」
エドリナの目から光が失われている。てか、怖い...。さっきまで天使のような笑顔が今では悪魔だ。
「で、でも.....」
「ね?」
「は、はい.....」
この後、ずっと手を繋いでいたことは言うまでもない。
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