畜力
駄載にせよ荷車にせよ動力が畜力であるものである。家畜の畜からわかるように動物である。畜力は偉大であって、人類は有史以来それに依ってきたのである。牛はいいぞ。そいではそれぞれ私の知っている範囲で畜力について述べよう。
犬はモノを載せられぬ。まあ、大昔私が読んだ本だとセントバーナードの犬のように最小限の救援物資を持ってきてくれ、時には少年程度なら負うて連れてゆくことができるるものもあるようであるが。モノを曳かせる例であれば南極観測の時の犬ぞりや炭鉱などのトロッコ曳きなどの事例がある。一部の森林鉄道でもその目的で使役されていた事例もあるそうだ。
牛。平安貴族が乗っているのも、零式艦戦を試験場にもっていったのも、今のご時世に北朝鮮で渋滞を引き起こしているのも牛車である。どうも馬などに比して駄載に適していないようで、昔から荷車や犂を牽くための生き物とみられているようである。ついでに言うと水牛は水辺以外での運用は困難なので気を付けること。
馬。駄載して良し牽かせて良し乗って良しのオールラウンダーである。概ね90kgの駄載ができ悪路も行ける。ラバやロバであれば速度は劣っても力などで勝りより多くを運べるものである。
と、いうところまで書いたが、大概の読者は気が付いていると思う『人類は有史以来それに依ってきた』のであれば大概異世界の現地でも実施しているのでは?と。当たり前に実施しているはずである。しかしここで見るべきは改良の余地の云々である。
例えば荷車の車軸の強化、あるいは軸受けの改良による輸送力の増強もできるのではないか、という点や、駄載用の鞍の効率化、などである。あるいは蹄鉄打ちなど。ただし、どれも劇的な効果はないであろう。