ひつじたち
傾きかけた空のはずれに
舌を出しておどけた貴方
こころのエントロピーを
あなたにかたむけて
たくさんの
そう、たくさんの
みずみずしい若者たちは死にました
黄金のちぢれ毛も
香草のごとくかんばしく渇き
かつて涙した彼らのひとみは
いまばもう潤わない
ぷりぷりした蛆どもの
あつらえむきの住処です
貴方さまが宰領する
銀色の空のしたで
牧草をおう羊たちは
紫いろの夕焼けまで
たたなわる山のふもとで
さ迷います
さあ、もうまもなく
おおいがたい疲労の季節です
白熱した大はぐるまが
わたしたちの世界を
右回転させます
さあ、眠りましょう
ぬくぬくとした無知のころもで
空の貴方も知らないままに