とあるおばさんの一人旅。
これは私の想像上のおばさまがたの物語です。
実際のおばさまがたとは違いますのでご理解お願いします。
「私は、旅に出るのっ…!」
そういってマイホームを出たのは、この家に住むおばさん。
目的地は気の向くままに。
風に乗って。
さあ、出発!
「どこに行こうかしら?バスにでも…はっ!」
何かに気付いたのか…?
おばさんは固まってしまった。
「あれは近所の奥様、山田さんだわ!」
おばさんはいかにも「温泉旅行に行きます♪」という格好をしている。…その格好はご想像におまかせしよう。
山田さんは近所で一番の大金持ちで、そのせいかちょっと威張っている。
おばさんが旅に出ると知れば、あの甲高い声を出して 、「奥様ぁ、どこにいくんですのぉ?まぁうらやましぃ、うちなんて旦那の仕事が忙しくて旅にいけないのよぉ、ぺちゃぺちゃぺちゃ…」なんて延々に話しが続くに違いない。
おばさんはあわてて道を引き返した。
「危なかったわぁ…」
近所のおばさんづきあいは大変である。
気を取り直してバスに乗ろうとした時、おばさんはふと重大なことを思い出した。
「水道の水を出しっぱなしにしたまま出てきてしまったわ!!」
おばさんは家に帰って水道の水を止めると、裏の家から声がした。
「奥様ぁ!今うちに山田さんの奥様がいらっしゃってるのよぉ、あなたも来ないかしらぁ?」
「あら、それではお邪魔しますわぁ!」
おばさんは旅に出ようとした。
しかし、それは無理だと分かったのだ。
おばさんは、今日も近所のおばさんづきあいに追われている。
おしまい♪