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夏の日、帰り道にて

それはよく晴れた夏の日だった。

僕は帰り道を幼馴染と歩いていた。

陽射しが熱くてアスファルトの照り返しも暑くて。自然と足を運ぶのが億劫になってしまい、ついつい歩くのが遅くなる。そんな夏の日に不釣り合いな質問を投げかけてくる。

「ねぇ、雪って好き?」

僕の幼馴染の白雪真白が振り返りながら言った。

いきなりなんてことを聞くんだ。

しかし、こいつは昔からこういう唐突に変なことを言ってくるやつだった。だからもう慣れっこだ。

「好きかな、なかなか見ることって出来ないしさ。それに、なんだか幻想的じゃないか。真白はどうなんだい?」

確かこの地方で雪が降ったのは3年前。なかなかできない雪合戦をしておおいに楽しんだのを覚えている。大体、こんなにも暑かったら雪の冷たさが恋しくなるものだ。

「私は嫌いかな」

「ふうん、自分の名前がいかにも雪っぽいのに嫌いなのかい?」

「雪って冷たいじゃない?嫌なのよね……指先から寒さがどんどん侵食してって…ほんと、嫌いなの。雪も、この名前も。」

雲が太陽を隠し、日陰ができる。そのせいで真白の表情も分からない。少し暑さが和らいで嬉しいはずなのに、寒い気がする。おかしいな。

そして、なんでそんなにも真白が雪に対して嫌悪感を抱いているのかが分からなかった。しかし、僕はそれ以上真白にとやかく理由を聞くことが出来なかったんだ。彼女が…真白がとっても冷たい目をして遠くを見ていたから。

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