また日常へ
イタチが銃撃戦をしてから数時間後、まだ焦げ臭い施設にクロイヌが部下を引き連れて姿を見せる。
今回の件でハッキリしたのは組織内部で自分に対して敵意を持つ連中がいるのを確認したという事だ。
現に、始末はついたが、縄張りを荒らされた上に、自分の管理下のこの施設が使われていた。
「やれやれだな」
思わず、柄にもなくぼやく。取引相手については不明なまま。
葉巻をコートから取り出すと口に運ぼうとした瞬間、目の前の葉巻がバッと弾ける、狙撃か。
「…………挨拶って訳だな。面白い」
クロイヌは葉巻を投げ捨てながら不敵な笑みを浮かべる。
「いいだろう、叩き潰してやるさ」
「あーあ、やっぱギャラ減るんでしょかね?」
「…………知るか」
「カラス兄さんだってギャラ減ったら食材とか買えなくなりますよ?」
「問題ない、お前の給料から差っ引くだけだ」
「……アンタ、鬼だ」
「何だと?」
オレはカラス兄さんの視線が怖い。あの人を見てると視線だけで、心臓の弱い奴はショック死しそうだ。
いつからこんなにオレ怯えてるんだっけ?
……やっぱ訓練のあの時、い、いや考えるのやめよ。ひたすら死にそうになった記憶しか浮かばない。
「ちょっとアンタ達! 早く準備しなさい」
二階から降りてくるのはこのバーのオーナー。まさに女神……の様でいて悪鬼。謎の怪力天然娘。そう、オレより年下(多分)なんだよこの方。カラス兄さんとは別の意味の最狂のお方。
「カラスさっさと仕込みして! イタチ、アンタはいつも通りウザい」
「え、何それ」
「ハイハイ、テキパキやって」
「お嬢はゆっくりしていてください」
「おいこら、甘やかすなアンタ」
「うるさいぞイタチ」 「そうよイタチのくせに生意気よ」
「ムカッ。ふざけんな天然娘にムッツリ無愛想がッッ」
衝動的にそう言ってオレは気付く、殺気がこの場に漂うのを……。そして決断する。勿論、トンズラだ。
「あ、こら逃げるな!! イタチ」
オーナーが追いかけてくる。あんだけ動きにくいドレス姿で何で速いのか未だにわからねぇ。
しばらくしてスマホが鳴る。カラス兄さんからだ。
「はいイタチっす」
「とりあえず、開店時間前には戻れよ」
「分かってますよ」
「ギャラは全額振り込まれてる。心配するな」
「はぁ〜良かった。」
「ただし、仕事が追加で入ったぞ」
「んげ。…………何でしょか?」
「フォールンの受け取り相手についてだ」
「……それならやりますよ。爆破の借りがありますしね」
「気をつけろよ。相手はお前に気付いてる」
「へっ、上等ッスよ」
オレは空を見上げる。太陽は今日も眩しい。
なわけで、第一話はこんな感じでした。
いやぁ、初めて小説書きましたが、改めて確認すると誤字があったり、
スペース空ける方法に今更気付いたりとミスだらけ(笑)。
次回からは修正します。多分これからも色々修正しますので、
お見苦しい部分も多々あるとは思いますが、
これからもヨロシクです(´ー`)ノ