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イタチは笑う  作者: 足利義光
第一話
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行動

「あーあ、眠いな」


 護衛の一人が欠伸をつく。何でこんな朝早くからあの腹ボテ親父の為に働くんだ?

 大体、ここは確かクロイヌって野郎のシマだ。

 嫌な予感がすると考えているとトン。という軽い衝撃を感じ、――次の瞬間、体から力が抜けていく。


 誰かが肩に手を置くのが分かる。他の護衛では無い。ダ、レ、ぁ……。

 

 イタチが一人だけ施設の外にいた護衛の心臓にナイフを突き立てていたのだ。

 

「あと四人だ」

 

 とりあえず、腹ボテはなるべく生かしておくつもりだった。だから、殺るのはあと四人。


 バスッバスッ。

 ナイフで車のタイヤをパンクさせておく。足を奪い、ここから逃がさない為だ。


「テキパキやらなきゃ。なンつっても眠いしな」

 

 イタチは改めて足音を立てずに動き出す。まだ朝日は昇っていない。まだ夜はこちらの味方だ。




 精製施設とはいうものの、実際には大がかりな設備がある訳ではない。

 フォールンは最初の工程で粉末状になる。その段階ではまだ未完成。少し質のいい鎮痛剤みたいな物だ。実際、病院でも使われてるらしい。

 次の工程で、粉末を濃縮させる。この濃縮密度で鎮痛剤が堕天、フォールンへと変わる。この濃縮工程が極秘なのだ、設備自体は大した物が必要ではないのだ。

 ここは元々製薬会社の倉庫だったから旧式ながら設備があった。

 つまりは、クロイヌがクスリを嫌うので使われなかったのを腹ボテがこっそり拝借した形になる。


「……どうだ?」

「上物ですよ」

 

 腹ボテが精製の責任者に確認する。コイツが一番大事だ。コイツが金を運んでくるからだ。

 あとは…………必要ない。周囲にいる護衛に目配せする。その途端、護衛達が動いた。


 パーン。パパーン。


 まるでクラッカーの様な音が施設内に響く。


「ぐあ」

「が……」

「えッッ」


 次々と精製に関わっていた連中が護衛達に射殺されていく。

 

「ひ、ひぃっ」


 その中の一人が何とか助かろうと物陰に隠れようとする。


「おい待てよ、逃げるだけムダなんだ。早く死ねよ」


 護衛の一人がニヤニヤしながら近付いていく。

  コイツは虫を殺すのと同じだ。五月蝿い蠅を潰すのと同じだ。そう考えながら。


「ほーら、死ねよ」


 隠れているであろう物置の扉を開く…………

 誰もいない? ん? 暗い部屋の隅に何か見える。……足?

 

「はい捕まえた♪」


 声を聞いた途端に口を手で塞がれ、キラリと目の前を何かが光った。ナイフだと分かった時には喉を切り裂かれていた。

 ビクビクッと護衛の体は震えると絶命。そのまま物置に転がす。

 

  「あと三人」

 

 イタチがそこにいた。

 さっき作業員が来たので手早く始末。予定が変わったが、護衛が作業員を殺し始めたのでわざと一人に見つかり、ここで始末したのだ。

 

 ここからは、スピード勝負だな、そう判断したイタチはナイフを腰に着けたホルダーにしまうと愛用のオートマグを取り出す。


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― 新着の感想 ―
[一言] イタチ視点かと思ったら、別の人視点だったり、第三者視点あったり、その逆もあったりと地の文の視点がコロコロ変わるのが非常に読みづらいです。
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