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イタチは笑う  作者: 足利義光
第一話
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イタチは眠い

「ふぁーあ〜」


 あー眠い。

 今日はまたヒドイ目にあった。


「が……ッ」


 と、いつもの事だが、何でこういう日に限って仕事が入るンだろ。考え事をしつつ、目の前の相手の鳩尾に肘を叩き込む。ああ、痛そうだなぁ。


「テメェ」

「ガキがっ」


 仲間はあと二人か。安いセリフを吐きながら二人共にナイフを取り出す。


「やめろよ、つまンない意地を張るなよ」

「うるせぇっ」


 一人がナイフをこちらに向け水平に切りつけてきた。下手な使い方だ。

 ンな小型のナイフで相手を殺すなら刺突。それは威嚇にしかならない。


「くそっ」

 

 しかも大振りで左右に振り回すから隙だらけ。

 仕方ない、少しレクチャーしようか。そう決めると相手のナイフをこちらの左手で軽く払いつつ、右手で手首をとりその左肩にナイフを突き刺す。


「う、ぎゃあ!」

 

 呻き声をあげる相手の足を軽く払い、地面に転がす。その声に残った一人は完全に戦意を無くしたのか、ナイフを落とした。用無しなので呻く男に蹴りを一つくれてやる。メシッと肋骨の折れた音と感触。ようやく静かになった。


「さて、話をしよう」

「な、何なんだアンタ」


 少しは落ち着いたみたいなのでオレは用件に入る事にした。カーゴパンツのポケットから白い錠剤を取り出す。


「これを捌いてる奴を探してる、……アンタ知らないか?」


 と言いながら奴に錠剤を手渡す。奴はオレと錠剤を交互に見ながら、考えてる。どうやら当たりだ。値踏みしてるってトコだな。


「何で、アンタコレを」

「友達に貰った」

「売る気があるのか?」

「知ってるのか知らないのか答えろよ」

「……知ってる」


 即座にオレは奴の鳩尾に膝蹴りを入れる。勿論ゆっくり話をする為だ。テキパキやらないと寝不足になる。寝不足はお肌に悪いしな。



 ◆◆◆



「う、……っ」


 しばらくして目を覚ます男。うん、分かりにくいからザコAにしよう。

 ザコAはゴホゴホと咳をしながら、辺りを見る。

 場所は倉庫、ザコAを中心にライトが当たっている。で、オレがその正面に椅子に座っている。


「何だここは?」

「ようやくお目覚めか、こっちが寝そうだったぜ」


 スマホを確認すると時間はもうすぐ三時。そりゃ欠伸もでるってもんだよ、実際。

 さっさと用事を済ませよう、健康とお肌の為に。

 

「さて、さっきの続きをしようか」

「お、おれはあんまり詳しく知ら……」


 バキッ。

 言葉をいい終える前に右の裏拳をザコAの鼻先に叩き込む。


「うぎゃあ!!」

「ハイハイ、喚かない喚かない」


 そういいながら同じ鼻先に右手の人差し指でデコピン。

 

「あぎゃあ〜」

「中途半端な嘘は要らないからさっさと話せよ。別にアンタの代わり位なら、いくらでも調達出来るんだぜ」


 少し時間を空ける。勿論考えさせる為だ。二分後にザコAがポツリと呟く。


「……分かった」

「よし、じゃ話せ」



 ……あぁ、そういや何でこんな事をしてるのか説明がまだだったよな。キッカケはこうだ。

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