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卒業
なし
そしてなんやかやで高校3年生となり。
さらに、私は幸運の青い鳥。
もとい、黄色いはんかち。
もとい、白い北野天満宮のお守りのおかげで
助かることとなる。
3月。職員室でも話題の、奇跡の人。時の人。
D高校のスーザンボイル。祝 卒業。
私はかくして九死に一生を得て、大学合格となったのである。
桜がその年はやけにきれいな春であった
なんでもその大学は、はじめは都会から離れ、
心をきれいにし、野に抱かれ、自然を愛し、
そして、あるところで都心にうつるらしい。
しかしながら、私は金銭面で助かったと思う。
そして、自分のあか抜けなさからもよかったと思う。
とにもかくにも海ははじめてだった。
穏やかな海。たおやかな海。誰かと行くのだろうか。
そんな事を流れゆく電車の窓から考えた。
私は、本当に田舎者であった。よくまあ、上京できたものだと、
金銭面を含めて、おふくろに感謝した。
なし