自殺願望
なし
なぜ、私はここにいるのだろう。
スコットランド北部グラスゴーその郊外にある湖。ロッホローモンド。
湖面の色は澄んだ青から湖畔の紅葉を写して黄色、赤、初秋。
氣がつけば、なぜかここにいた。そして、空がほんとうに高い。
空を自由に鳥が飛び回る。空が高い。ここまで空が青いとは、そして、湖の息をのむような青さ。
飛び降りる。飛び降りるふりをする。わからない。そして、そんな自分に笑う。なぜ、笑うのだろう。
崖沿いの葉がきれいだ。そして、私はここにいる。何をしにきたのだろう。
全くわからない、切り立った崖、断崖の絶壁。
私は死のうとしているのだろうか。わからない。なぜかわからない。
泣けてくる。つまらない人生。こんなことのためにここまで来たのか。
そして思い出すのは、英語くそくらえの大嫌いな中学時代。
なんで日本人なのに、英語を話さなければならないのかなぜだ。
振り返れば英語だいっきらいなのは、ひとえに中学校英語教師の影響が大きいと確信する。
そしてその正反対は中1担任、吉原ていちゃー国語教師。温厚な教師。今思えば日本語は先生のために
あるようなものに思えた。その後、大学までいったが、あのような温厚な先生をみたことがない。
とつとつと、語っていた。特に、昔のやつ。なんだか忘れたが、徒然草だかなんだかが、
とても冴えていた。というか・・・こちらが初めてだったので衝撃だった。
「佐藤君、おかしという古語の意味がわかりますか。」私は、おやつだと思った。
佐藤家は開業医。万事そつなくこなしクラスの人気者。「趣があることです」彼が言った時、
何をこの人は言っているのか。そう思った。
しかしながら、吉原先生が優しくうなずきながら、「正解です」よく勉強していますね。
と言った時、驚いた。本当に本当におどりゃった。
担任の吉原T、以後ティーチャーの略でTとする。吉原Tは優しかった。
近隣学校の学校での宿泊を伴うレクレーションを禁止しましょう。というお達し。
F中、だめ。A中、ばつ。G中、だめだめ、だめ、接待ゆるさん。もとい、絶対ゆるさん。
絶対に悪意を感じる。中体連で知り合ったやつらからのメール。相当の包囲網。
まさに万事急須。ところが、ところが、ところが、YT(吉原Tをさらに略す)
頑として無視。全くもって学級に一任。そして、開催された。
「なんだかわからないけど、学校で泊まろう!!」
なし