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これが歴史の真実!? 勇者御一行について

作者: カヲリ納豆
掲載日:2026/03/17

歴史の真実、とは。

見える? あの町が、私が務める神殿がある町。いつも汽車で行くけど、あそこに私の務め先があって、そして、始まりの歴史がある。


あるよね、勇者御一行の銅像。

立派に立ってるよね。


たくましく、勇気のあった、しょうじ、いや、少年、勇者。


異世界の知識が豊富で、色々と凄い物をこの世界にもたらしてくれた、少女、魔法使い。


そして、医療の偉人になった、少年、ヒーラー。


異世界から召喚された3人が、魔王を倒し、そして、この世界を平和にした。


おばあちゃんの私は、その3人のそばにいつもいた。

歴史を残すため、3人の勇姿を正しく、正しく、伝えるため。

巫女として。まあ、今も巫女なんだけど。


…。


誰も聞いてないね。


あなたには、知っておいて欲しい。

歴史の真実について。


汽車が着くまでの、短いお話。




「これより、勇者たちを召喚する」


大体70年くらい前の話。

私は新人の巫女で、まだ18歳だった。


「魔王を倒し、そして、この世界を平和にしてくれる3人」

今は亡き王様は、真面目に言った。

「皆の者、心の用意はいいか!」

兵士たちも、魔法使いたちも、そして、私も、真剣にうなずいた。


昔、魔王がいて、魔物たちもいた。

人類は、世界を平和にするために、それらと戦っていた。

けど、それらは身体能力が高く、速く、重く、かたかった。


それらの王、魔王。それと互角に戦える、そんな夢のような人たちを今から召喚する。


私は、ワクワクしていたし、ドキドキもしていた。


召喚は始まった。

魔法使いたちは呪文を唱える。

床には模様が現れる。

私は唾をのむ。


そして、


「召喚は成功した…!」

目から感動の涙を流しながら、王様は口にした。


伝えられている、勇者。

少年で、勇気があり、たくましかった。


けど、本当は。


「アタシのエロ本がー!」


うん。

少女で、変態な人、奴だったの。


嘘だよ、って?

そうだね、私が書いた物には、少女の勇者は現れない。だから、嘘と思っても仕方ない。

勇者は少年であるべきだ、とは思わない。私はね。


けどね、なんか王様が目を丸くしてたから、「あっ、なんか失敗したな」て、そこにいた皆が察したの。空気を察したの。魔法使いたちは堂々としていたけど、冷や汗ダラダラだっただろうね。

だから。


そして、魔法使い。

知識豊富、色々な物をもたらしてくれた。

それは、真実。あの子がいなかったら、コーヒーはなかった。ありがたいね。


けど、

「…ヒッ」


召喚された途端、どこかに魔法で消えるくらい、怖がりな少女だったの。

インキャ、とか、なんとか。


召喚されたら、すぐに魔法使いたちとの魔法を使った追いかけっこが始まった。魔王と互角だったから、長い追いかけっこになったよ。結局はその子が飽きて捕まったけど。


そして、3人目。医療の偉人、ヒーラー。


「あーあ。

解剖したい」


また、皆察したね。「あっ、ヤバい奴召喚したなっ」て。王様はまた目を丸くしてるし、魔法使いたちも冷や汗ダラダラだっただろうね、追いかけっこでそこにはいなかったけど、もしいたら。


ヒーラーは少年だったよ。そこは失敗しなかったらしい。


「異世界転移かよっ、どうせ帰れるならやりたい放題じゃねえかっ」

と、勇者。

「異世界人か。こりゃ、リアル理科の実験だな。オレらは召喚されたんだから何でも許されるよな、な?」

と、ヒーラー。


「帰りたい…、帰れないなら図書室に引きこもりたい…」

と、捕まった魔法使い。


巫女の私は思った。


え…、コイツらと一緒に冒険しないといけないの?

て。


私は3人のそばにいつもいて、その活躍を記し、歴史を伝える。そんな役目があったから。


まあ、召喚された時点で、捏造は始まっていたんだけどね。

もう70年くらい前だから、その嘘の歴史が正しいって完全に思われてるけどね。


国の…歴史だからさ。

滅茶苦茶な歴史にする訳には、いかないじゃない?




あっ、鈴が鳴った。

もうすぐ着くよ、何か落としたものはない?


今日の話は、ここまで。

うん?

じゃあ、メドゥーサを倒したり、大量のゴブリンたちを倒したり、村の瘴気を浄化したり、魔王と激しく熱く戦って勝った話は、実際はどうだったのかって?


また、明日も、あなたには話すから。

私も、あいつ等のクソっぷりを誰かに伝えて残さないと、気が収まらないし。ね?

本当に。


でも、おばあちゃん、あることには感謝してるの。

飲めば眠気がなくなり、24時間働ける『コーヒー』を教えてくれたこと、それだけには、感謝してる。


…ふう。

今朝も飲んだ、これで24時間働ける。


さ、おりるよ。

ありがとうございました!

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