成長
今日も修行。最近はこの国のギルドなるものに登録して、魔物を狩ったりしている。
「先に突っ込むけど、当てるなよっ!」
「ワタシを誰だと思っている!」
後方からの援護射撃。それは的確にブレイを避け、魔物に当たる。
成長したクリスタルは、当たって体に刺さった場所から地面に伸びて敵を固定する。
「今日はこれで終わりだなっと!」
磨かれた剣技は、一瞬にして敵の命を刈り取る。
「ちゃんと倒した証として一部持ってかないといけないの面倒臭いよなぁ」
「そこまでが仕事だろ、ちゃんとやるぞ」
「はいはい…ヴァエル、本当にステラさんに言動が似てきたな。いや、似せてるのか?」
「口の前に手を動かせ」
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「ヴァエルさんとブレイさんは本当にいつも依頼を終わらせるのが早くて助かります!」
「いやぁ、僕のおかげかな!」
「馬鹿言え。ワタシのおかげだろ」
「どちらのおかげにしても、当ギルドはお二人のご活躍で、大変助かっております」
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「今日は早く終わったな、久しぶりに手合わせでも……ん?」
「なぁ、そこの坊ちゃんと嬢ちゃん。ちょっーと仕事が早いからって調子に乗ってねぇかい」
「君たちの気に障るようなことはしていないと思うが……なぁ、ヴァエル?」
「お前らが終わらせた依頼は元々俺らがやろうとしてたんだよ」
「その依頼を僕らに取られたのは君たちが遅かったからじゃないか?」
「ガキの癖に生意気だなぁ。前々から気に入らなかったんだよてめぇらよぉ。男の方はずっとヘラヘラしててよぉ、最近来たばっかなのに女にチヤホヤされてよぉ。女の方は、この前酒に酔って気分が良かったからよぉ、俺のモンにしてやるったら無視してきやがってよぉ、腹立つよなぁ」
「そんなに言うんだったら一度手合わ……え?ヴァエ」
ヴァエルは義手で思いっきり殴りつけた。
「がっ」
「覚えているかは知らんが、二度目はないと言ったはずだ」
「あ、兄貴……」
「オマエがこいつの仲間か。ちょうどいい、起きたら言っといてくれ、死にたいならいつでもワタシに言えってな。ほら、行くぞブレイ」
「お、おう」
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「ああいうやつが全員じゃないから、人を嫌いにならないでくれよ?」
「分かってるよ、んで、手合わせするんだろ?」
「いつもの感じでやろうか」
「分かった」
ワタシは小石程度の大きさのクリスタルを出して、上に投げた。
落ちた。
行動は読めてる…が、より速くなってるな。壁を作り、距離をとる。
その間に地面にクリスタルを広げて、自分に有利な場所を広げていく。
「ずっと思ってたけどそれズルだろ!」
「禁止していることは特に無いんだ。良いだろ?」
そう言いながらもブレイは対応して、地面に付かず、剣すら足場にしてこちらへ向かってくる。
空中に行ってしまってはもう軌道の変更はできないだろう。クリスタルを放つ。
「舐めんなぁっ!」
あそこから体をよじって避けた……。
「なっ、えっ、ちょっと待っ」
「止まらねぇええ!」
「「ぐべぇっ」」
おでこが衝突した。
「よぉ、お前ら……って、何してんだ」
こんなにかっこつかないところで来ないでよ、ステラ…。
──────
「久しぶりに見に来てやったぞ」
「お久しぶりです!ステラさん!」
「お前は明るくなったなぁ、ヴァエルは逆に性格に棘が出てきたな。昔はもうちょい可愛げがあったんだがなぁ」
「気のせいじゃない?」
「そういうとこだよ」
「そういえば、ずっと何してたんですか?」
「ここに住む訳にもいかねぇし、森に行ってたんだよ…んで、お前らに頼みがあってな、ちょっと付き合ってくれよ」
ブレイは切磋琢磨できる相棒が見つかったことでかなり明るく、ヴァエルは周りに舐められないように言動をステラに寄せています。彼女の中の強さの象徴がステラなんですね。




