トライト魔法国
「さ、もうすぐで着くぞ」
「おもってたよりおおきい」
「そりゃ、魔法を学べる学校があるからな」
「ワタシはそこに?」
「いんや、そこは汎用魔法の適正を見て、適した使い方なんかを学んでいくところだ。固有魔法を鍛練するには、向いていないからな」
「ふうん…。それはいいんだけど、もんばんいるよ、どうするの?」
「あれは身分証明をしないといけない…な。うーん、どうすっかな」
「え?な、なにもかんがえてないの?」
「まーそんなとこだ。なんとかなるかなって」
「え、えぇ…」
馬鹿なんじゃないかなぁ。
「あ、意外となんとかなりそうだぞ」
「ほんとに?」
「嘘はつかねえ」
───────
「よぉ、そこの緑髪の嬢ちゃん?」
「はい…どなた…ってええ!?」
「ちょいちょい、静かにしろっての」
「いや、だって、えぇ…貴方は!」
「しー、な?」
「え、あ、はい」
「相変わらず物分りがいいやつだ。とりあえず、連れてってくれないか?」
「分かりました…」
───────
「で、なんで貴方がここにいるんですか?」
「まぁ、色々理由はあるんだが…。何も聞かずに匿ってくれねぇか?キューレ」
「ダメです。貴方はずっと行方不明で、噂ではもう亡くなってるなんて言われてるんです。説明してください!白髪のその子のことも!」
「あぁー、まぁいいか……。じゃあゆっくり話してくぞ─」
───────
「…ってなわけ」
「ステラさんが吸魔族になって…その子も吸魔族で…」
「そいつも私も人は食わねぇから安心しろ」
「え?あれ…吸魔族は、魔力を吸って生きるんじゃ」
「あー、人が思ってるより食いしん坊ってだけだ」
「……まぁいいです。ここまで説明してくれたんですから。そして、ここを訪れた理由はなんでしょうか?」
「それはだな、こいつもここの孤児院の授業に参加させて欲しくてな」
「魔法は教えていませんよ?」
「魔法関係はこれからも私が教える。だから一般教養をそいつに教えてほしい。いつもと変わらねえだろ?」
「ええ、まぁ」
「んで、親父はどこにいる?」
「あぁ、今はちょうどでかけていますよ。もう少ししたら戻ってくると思います」
「そうか、ならいい」
「それで、ヴァエルちゃんはもう部屋に案内してもいいですか?」
「そうだな、よろしく頼む。ヴァエル、この嬢ちゃんに着いてけ」
「めいわくをかけるかもしれませんが、よろしくおねがいします」
「あら、随分と礼儀正しい。ステラさんとは違いますね」
「私はそういうの嫌いなんだよ。知ってるだろ?」
「はいはい、じゃあ着いてきてね」
「はい」
───────
「ここ、ステラさんのお父様が建てた孤児院でね。色々事情があって1人になっちゃった子を住まわせているのよ。ヴァエルちゃんの部屋はここよ。先にここで生活してる子はいるけど……多分仲良くなれると思うから」
「おじゃましま…す」
男の子が1人、剣を振っていた。
ワタシに気づいているのかいないのか、それでも剣を振っていた。
「あの…よろしく、ね?」
「ん?あぁ、よろしく……」
まだ、剣を振っている。とりあえず荷物を置く。これから生きていくには、こういう人ともある程度仲良くしなければいけない…そういう試練。そう、思おう。
「なんで、そんなにけんをふってるの?」
「強くなるため」
「なんでつよくなりたいの?」
「理由なんてない」
「……」
ワタシは生きるために強くなりたいから、よく理解はできない。でも、ステラはこうすれば理解できると言ってたはず。
「…いっかい」
「?」
「いっかい、ワタシとたたかって!」
理解し難い相手でも、全力で戦い合えば、理解できるって。
彼女なりに仲良くしようと頑張ってます。




