日々の成果
今日もまた、挑戦する。
石が落ちた。
まず、相手の択を減らす為にワタシの魔法で有利な範囲を広げる。もう目の前、足で広げて手で反応……!
「くっ」
義手を盾に剣を受け止める。この間に地面に広げたワタシの魔法を上に伸ばす。ステラを捕らえるためじゃなく、ワタシの退路をあえて塞いで、攻撃が来る方角を限定する。
ワタシの魔法はワタシの想像次第でどうとでもなることを知った。だから、ワタシの有利を押し付ける。これで……
「随分良くなってきたな」
「なっ」
火魔法……!?防御しないと──
弾けるだけ…?
「これで終いだ」
「かはっ」
お腹に衝撃が加えられ、意識が途切れた。
──────
「私相手にあそこまで反応できりゃ上出来だ。誇っていいぜ。最初に比べりゃ、あれからだいぶ良くなってる」
「それでもいっかいもまともにこうげきできてなかった……」
「私が使わないと言った攻撃を使わせたんだ。大したもんだよ」
「…うん、わかった。あ、それと」
「どうした?」
「もときしだんちょうといっていたけれど、いったいどこのくにのひとなの?いわれてもわからないかもしれないけど、きになるからおしえてくれるとうれしい」
「そうだな、教えておこう。私は、トライト魔法国の騎士団長をしていた。前に言ったがお前を連れて行きたいのはそこだ」
「え、ひとのおおいところへいくの?まぞくだとばれたらあぶないんじゃ…」
「顔は隠すが、バレないと思うぞ。なんせ、魔族はたいてい人を食うものだ。だが、吸魔族なんて名前が付けられてる。魔力を吸ってくる魔族、なんてふわふわしたおとぎ話みてぇなのしか人族に残ってねぇんだ。特徴なんて分かりゃしねぇさ」
「なら、だいじょうぶ……かな」
「バレちゃいけねぇのは私の方だ。元騎士団長が帰ってきた、そんな噂はすぐ広まっちまう」
「そもそも、なんできしだんをやめちゃったの?」
「…………その理由を話すには、だせぇ過去を話す必要がある。弟子にわざわざだせぇ話なんてできるかよ。ま、お前が私に勝ったら話してやる」
「…そう」
「せっかく行き先の話を出したんだ。明日にでも行くか」
「わかった。ここからそこまでどれくらいかかるの?」
「そうだな……」
──────
「さ、行くぞ」
「うん。でも、どうしてワタシをそこにつれていくの?」
「色々理由はあるんだが、一番でけぇのが勉強だな。私は常識とか、読み書きとかを教えるのがどうにも苦手でな。で、だ。お前がこのまま私に着いてくるなら人の勉強が必要だと考えて行くことにしたんだ」
「たしかにそうね」
「教えてくれて、尚且つ私のことを外部に漏らさないやつは心当たりがある。そいつのとこに行く。道中はいつもと変わらない。蹴散らして進むぞ」
「わかった」
片手間で魔法の練習でもしてようかな。
──────
「狼がいるが…まあお前ならあれくらいは余裕だろ。倒してこい」
「うん、すぐたおしてくる。あれくらいたおせないとステラをたおせない」
「…一応私はお前の師匠なんだがな、せめてさんをつけろ。って聞いてねえか」
数は少ない、片手で数えられる。
練習で少し魔法を出すのが速くなったから、静かに近づいて足を固める。
これでもう、おしまい。少しずつ強くなれてる気がする。前だったら、もっと時間もかかってたし、魔力も消耗してたかも。
──────
「明日には国につくだろ。顔を隠せるような布切れは用意してある。近づいてきたら、これで隠せよ」
「うん、わかった」
「それと、魔法の出力が速くなってたな。その調子だ、訓練を怠るなよ。」
「…うん」




