未知との遭遇2
「やっぱり、安すぎるのか……」
そのおかげで評判は良いんだが、質も相まってもう一度買ってくれる客が少ないから収入が減ってきている。ワタシの魔導具がそうそう壊れないからだろう。さすがワタシの魔法だな。
「…」
今日も討伐に行くか。今回、魔力を回す早さは変えないようにしよう。痛みは耐えられるようになってきたが、さすがに精度が悪すぎる。ワタシの実力以上の相手と戦う時に使うのは避けた方がいいだろう。
今日は…今日も蜘蛛にしよう。前は力押しが過ぎた。丁寧にやろう。
────
前とは違い、洞窟ではなく森に巣を作ったようだ。数はそこそこ。
………ん?
「そこに誰かいるんですか!?助けてください!!」
そういえば言ってたな。先に依頼受けたヤツが帰ってきてないって。コイツか。蜘蛛の巣に捕まっちまっている。
「静かにしてろー」
さっさと終わらせよう。
小さいのが数体、大きいのが一体。そいつがこの群れの親分か。
小さい蜘蛛がヴァエルの方へ突進してくる。大蜘蛛は動かない。ヴァエルはゆっくり確実に、感覚を確かめるようにクリスタルを放つ。
放たれたクリスタルは全ての小蜘蛛に命中した。刺さったクリスタルは小蜘蛛の体を飲み込み、石像へと変化させた。
「もう少し戦術を増やしておきたいな」
そう言って、ヴァエルは大蜘蛛との距離を詰める。
体内の魔力の流れからして、魔法は使わないだろう。頭は前に向いている、蜘蛛糸も無いな。だが、遠距離からの攻撃ではクリスタルが刺さらないだろう。なら…
距離を詰めたヴァエルがクリスタルを放ちながら大蜘蛛の背中へ跳ぶ。大蜘蛛は振り落とそうと身を振るが、ヴァエルはクリスタルで即席の剣を作り出し、大蜘蛛に突き刺す。内部からクリスタルを広げ、大蜘蛛もまた石像となった。
「大丈夫か?」
蜘蛛の巣に捕まっている人を助けるべく、蜘蛛糸を剣で切っていく。
「ありがとうございます!助かりました!」
「あぁ、それはいいんだが、何故身の丈に合わない依頼を受けた?ある程度依頼の説明はされるはずだが……」
「ええと、今より小さい時に親を亡くしまして、そこから頑張って働いてたんですが、色々あって足りなくなってしまって…」
「切羽詰まって、この依頼を受けたら死にかけた、そうだな?」
「はい…」
「金より命の方がずっと大事に決まっているだろう?これからは死に急ぐなよ」
「分かりました!」
「ギルドにも報告しないといけないから、名前を教えてくれるか?」
「はい!俺の名前は…」
名前をギリギリまで迷ってしまいまして、結局決まりませんでした。なので短めとなっています。すみません。




