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人助けするのも悪くない


「あの時退治したはずなのに様子のおかしい魔物…吸魔族と化した魔物の討伐依頼が増えている。だが…」


「ここまで森に魔物はいなかったはず、だろ?」


「あぁ、元凶が魔物をわざと近くの森に放っていると考えられるから突き止めないといけないんだが…元凶自体は、おそらくワタシの父親だろう、目的は分からないけどな。ただ、位置が分からん」


「とりあえず、今日も依頼を終わらせようか」



─────



正直、なぜ捨てられたのか分かっていないしあまり恨みも無い。母親も良く覚えていない。強者の下につけば、生きていられる。だから……


「ぼーっとすんなよ!もうすぐで魔物のとこだぞ」


「あぁ、悪い」


さっきのは、一旦忘れよう。


「んー?あれは…」


「どうした?」


そう言ってブレイの向いている方向を見る。そこには、同業者らしい人たちが魔物と戦っていたが、魔力の流れが弱く一人を除いて倒れている。


「ヴァエル、助けるぞ」


「わ、分かった」


魔物が全て殺した後の油断したところを狙えば良いと思ったが、まぁ良いだろ。


「大丈夫か!?」


「え、あなた達は…」


「下がってろ。邪魔だ」


「は、はい…」


「ブレイ!」


「分かってるよ!」


いつものようにブレイを援護する。本来なら、ワタシも前に出たいが適材適所というやつだ。だが…


「ブレイ気をつけろよ!おそらく前のより多く魔力を送り込まれている!」


「なんとなく強いとは思ってたけどやっばりか!」


ワタシの後ろにいる人達の間に邪魔にならんようクリスタルで壁を立てつつ、援護を続ける。



─────



「とりあえずこれで最後かな」


「そうだな」


そう言いながら、作った壁を消していく。


「ま、魔物は…」


「安心してください!全部倒しておきましたから!」


「あ、ありがとうございます!」


「魔法使いのあなたも、ありがとうございます!」


「…」


「ギルドにあなた達の成果として報告した後になにかお礼をさせて下さい!」


「いいんですか?」


「はい!私達はあなた方のおかげで今があるんですから!」



─────



「ありがとうございます、ご飯を作っていただいて…」


「いえいえ!命の恩人ですから!他の子たちは安静にしてますけど、私は動けるので少しでも恩を返したいんです!ささ、魔法使いの方もいただいてください!」


「…」


「こいつこういうの慣れてないんですよ、せっかく作ってくれたんだ。大人しく貰っとけよ、美味いぞ」


「分かった」


目の前の料理に手をつける。美味しい。


「そういえばお二人の名前を聞いていませんでした、なんて言うのですか?」


「僕はブレイで」


「ワタシはヴァエルだ」


「では改めて、ブレイさんとヴァエルさん。今日は本当にありがとうございました!ちなみに、料理の方はどうでしょうか…?」


「めっちゃ美味しいです!ほら、ヴァエルも。美味いだろ?」


「……美味しい」


「お口に合って良かったです!」



─────



「人助けも悪くないだろ?」


「思ったよりは」


「素直じゃねぇな、まったく」


「うるさいな」


人を助けてこういう風に礼をされるんだったら、悪くないかもしれない。料理はとても美味しかった。


魔族に必要な栄養が人に多く含まれているから、多くの魔族は人を食べます。人食べてないヴァエルは万年栄養失調気味なので、身長が低かったりします。

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