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いらない子と思われていた令嬢は  作者: 青空一夏


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最終話 結婚式

 私とオリバー様の結婚式は、ローマムア帝国とスペイニ国の和平を象徴する重要な儀式として、二国の国境近くに新たに建設された荘厳な大聖堂で執り行われた。


 この大聖堂は、平和への新たな歩みを象徴する場所として、両国の民が力を合わせ、私の結婚式に向けて完成させてくれたものだ。純白の石で築かれた外壁は太陽の光を浴びて輝き、その美しさは遠くからでもはっきりと分かる。内部は天井が高く、文化の融合を象徴する彫刻が掘られていた。神話や歴史的な場面が刻まれたそれは、両国の新たな未来を象徴しているかのようだった。


 祭壇へと続く通路には赤い絨毯が敷かれ、私とオリバー様が歩む姿が際立つように設計されていた。天窓から差し込む光がステンドグラスを透過し、壁や床に七色の光が踊り、幻想的な雰囲気を生み出す。この場所で誓いを交わすことは、新しい未来を共に築くための、神聖な儀式なのだと改めて感じた。


 祭壇の前に立った私は、純白のドレス姿。最愛のオリバー様と平和の象徴として結ばれることは、私にとって計り知れない意味を持っている。オリバー様の眼差しを受け止めながら、私はこれからの人生を共に歩む覚悟を静かに固めていた。


「この地に立つ新たな希望の証として、共に歩み続けることを誓います」


 オリバー様の言葉に、私はしっかりとその手を握り返し、未来への誓いを言葉にした。二人の手が重なる瞬間、民衆から自然と感嘆の声が漏れるのが聞こえた。


 両国の騎士たちが並び、オリバー様の前でひざまずく。それぞれが剣を両手で握り、自分の前に静かに横たえ、頭を垂れる。その姿勢は、オリバー様と私への忠誠と敬意を示すものだった。この場で誓われる未来への約束に、一層の重みが加わる。きらりと輝く剣が、広場の空気を厳粛に引き締めていた。


 誓いの言葉が交わされ、指輪を交換した瞬間、大聖堂に鐘の音が鳴り響く。外に集まった民衆の歓声が波のように広がり、新しい王と王妃を迎える喜びが、空高くまで届いた。


 結婚式を彩るのは、私を象徴する特別な薔薇だった。アルバート達が私のために作った青い薔薇だ。参列者たちが息を呑むのが分かる。私はその薔薇で作られたブーケを手に掲げ、民衆に向かって静かに語りかけた。


「皆が安心して暮らせる日常を、私たちはこれからも守り続けることを誓います。楽しく笑い合える豊かな国を築き、そこには理不尽な迫害も、差別も存在させません」


 私の言葉に応えるように、民衆の間から歓声が湧き上がり、平和と繁栄を祈る声が空にまで響き渡る。風に乗った薔薇の香りが大聖堂全体を包み込む。


 失って離れて、それでも想い続けた人の隣に、私はようやく辿り着いた。この幸せをいつまでも忘れずに、この先もずっとオリバー様と――



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