魔法のポケット
雪がしんしんと降りつもる、静かな冬の日のことです。 小さな女の子のルルは、お母さんのために「世界一のきらきら」を探しに行くことにしました。
「だってお母さんのネックレス、壊れちゃったんだもの。私がもっと素敵なのを見つけてあげるんだ!」
ルルは、赤いコートのポケットを空っぽにして、外へ飛び出しました。
ひとつめの「きらきら」
森の入り口で、ルルは地面に落ちている小さな石を見つけました。それは、昨日降った雨が凍りついた、透き通るような氷のつぶでした。 「わあ、きれい! まるでダイヤモンドみたい」 ルルがそれを拾ってポケットに入れると、ポケットの中がほんのり冷たく、きらりと光りました。
ふたつめの「きらきら」
次にルルは、大きなモミの木の下を通りました。すると、枝からこぼれ落ちた雪の結晶が、ルルのまつ毛に止まりました。 「お空からのプレゼントだわ!」 ルルは、溶けないうちにそっと指先ですくって、ポケットにしまいました。ポケットの中は、さらにキラキラと輝きを増しました。
最後の「きらきら」
日が暮れ始め、おうちに帰る途中。ルルは道端で、一人の小さな男の子が泣いているのを見つけました。
「どうしたの?」
「……手袋を片方、なくしちゃったんだ。手が冷たいよぉ」
ルルは少しだけ迷いましたが、自分のポケットに手を入れて、中にある「氷の石」と「雪の結晶」を……ではなく、自分の温かい手を男の子に差し出しました。
「私のポケット、あったかいよ。いっしょに入れよう?」
二人が手をつないでポケットに手を入れると、不思議なことが起こりました。ルルが今まで集めたどんなものより、ずっとまぶしい光がポケットから溢れ出したのです。 男の子は涙を拭いて、にこっと笑いました。その瞳も、星のようにきらきらと輝いていました。
お家へ帰って
おうちに帰り着いたとき、ルルのポケットにはもう、石も雪も残っていませんでした。でも、ルルはちっとも悲しくありません。
「お母さん、ごめんね。ネックレスの代わりは見つからなかったの。でも、もっと素敵な『きらきら』を、私、知ってるよ!」
ルルがお母さんに今日の出来事を一生懸命お話しすると、お母さんは優しくルルを抱きしめました。 「ありがとう、ルル。今のあなたのお話、お母さんにはどんな宝石よりも『きらきら』して聞こえるわ」
窓の外では、夜空の星がきらきらと瞬いています。
それはまるで、優しい心を持った人たちを、空から見守っているかのようでした。
あなたの周りにある『きらきら』は、どんな形をしていますか?
僕の周りにあるきらきらは言葉です。
誰かを励ましたり、人の幸せを願う言葉。
その言葉に真珠のような優しく穏やかな光を感じます。




