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【閑話】潜む者たち 2

神殿が光を放って数日後、再び、街は賑わいを見せる居酒屋の奥の小部屋に、二人の男が向かい合って座っていた。

 今王都は、神殿の光の話題で持ちきりだ。


 「……大神殿が、光に包まれたそうだな」


 ダットと言う商人風の男が低く呟く。

 学園教師ーーエナウスが軽く頷きながら答えた。


 「ええ、強い光を放ちました。あの光は約十年前、この国に生まれた女神の愛し子が神のもとへ導かれた時に放たれた光と同じだそうです。」


 「公式な発表はまだないが、神殿に潜り込んでいる我々の手の者からの情報によれば、愛し子が降臨したらしいとの事だ」


ダットが声を潜めながら言う。


「神の愛し子…… そんな話、所詮は神殿の人気取りの作り話だと思っていましたが……」


「だが、この国の伝承によれば、動乱の時代、本来ならば世界が滅びていたはずのところを、愛し子がその身を神に捧げて世界を救ったとされる。

 まあ、その後四年も災害が続いたらしいけどな」


 商人風の男は苦い表情で言った。


 「ええ、聖姫エリエゼルの伝承ですね。

 今回、神殿が光を放ったのは事実です。 ならば、現に神殿には愛し子がいる可能性があるのでしょう」


 「神殿入っている者に探らせてはいるが、守りが固く情報がなかなか手に入らん。」


 商人風の男が問いかけるように言った。


 「……奪うか」


 教師は迷いなく頷く。


 「はい、それも視野に入れて動く事になるでしょう。 ですが情報がまだ少なすぎます。 容姿も名前も分かりません」


 「情報の収集を続けさせる。 時が来たら即座に動けるように準備しておけ」


 商人風の男は鋭く指示を出す。


 「承知しました」


 教師は淡々と答え、立ち上がる。

 商人風の男は何事もなかったかのように店を出ていき、教師は静かに学園の宿舎へと戻っていった。



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