【アイス】女の子たちがアイスを食べるだけの話【冷え冷え】
ミーンミーンミン。セミが鳴いている。ものすごく青空です。文法的にやや不自然ですが、まあいいでしょう。
とにかく暑い。アスファルトから湯気がモクモク出ているのではないのかと錯覚するほどです。
これはたとえ猫でも散歩を拒否するかな。足が耐えられないよ。
暑いから、市民プールへ行って、今帰っているところだけど、冷えた身体が一瞬して熱を持つ。
そう言うわけで、アイスを買いに駄菓子屋へ向かった。
「こう暑いと、近い駄菓子屋でさえ、遠く感じるわ。電車の隣の駅ぐらいの感覚」
私の相棒、玲子の声である。ショートカットで白地のTシャツで紺色のショートパンツで涼しそうな格好だが、やはりこの暑さではそれでもダメらしい。
そうそう。私は敦子。今日は薄いピンクのワンピースを着ています。
「見えてきたぞ。駄菓子屋! しかし、あれが蜃気楼で実はもっと遠かったらどうしよう」
もう限界そうな声で玲子がそう言った。
「いやいや。そんなことないよ。あれが蜃気楼だったら事件だよ」
そう言っているうちに駄菓子屋へ着いた。
「いらっしゃい!」
おばちゃんはいつも元気だ。この暑さに慣れているのかな。
アイスケースの中にはいろいろなアイスがある。
あずきのアイスだったり、ガリガリ食べると美味しそうなソーダのアイスもある。
「私はこれにしよう」
そう言って、私は飲むゼリーのような容器に入ったバニラのアイスクリームを手に取った。
「いやいや。こんなに暑いのに、そんなのにしたらすぐに溶けてしまうぞ」
玲子は切った後のスイカのような氷のアイスを手に取って、そう言ってきた。
……
なんだかんだ言って、私たちは最初に選んだものを買って、店に前にあるベンチに座った。
私は飲むゼリーのような容器に口を付けて、吸った。
「うん?」
暑いとはいえ、まだ中は固まっていて、吸うことができなかった。
ガリガリ……
玲子のほうを見ると、すでにスイカを切った感じのアイスをガリガリとかじっていた。
キーーーーーーン
「うわぁ。頭がキーンとする。この感覚がたまらないねぇ」
口元を歪ませながら、玲子がそう言った。
「さらに、小さなチョコレートの粒がキーンをちょっと癒してくれるんだよね」
玲子のほうを見ながら、ああそうですかと思っていると、自分の持っているアイスが指の力で少しへこんだ。
「よしっ食べられるかな」
私はそう思った瞬間、無意識にアイスを吸いだしていた。
すぅっとアイスが口の中に入った。クリーム状のアイスだが、これもなかなか冷たくて、キーンとしてきそうだ。
……
しかし、この暑さ。すぐにアイスを食べ終わってしまって、私たちはこれからどうしようと迷っていた。
カタッ
駄菓子屋のおばちゃんが大きな皿に近くい氷を大量に入れて持ってきた。氷は冷蔵庫の製氷機で作ったような大きさだった。
「これ。どうぞ」
どうぞと言われても、どうしたらいいのかな。
とりあえず、私たちはその大量の氷を眺めていた。まあ、無いよりはあったほうが涼しく感じるよね。
「そうだ!」
玲子が皿にあった氷をいくつか握りしめた。
と思ったら、私の服を引っ張って、首のあたりから氷を入れ始めた。
ジャラジャラ……
「ひぇっ」
思わず私は声が出た。冷えているから「ひぇ」と叫んだわけではなく、冷たいのとビックリしたからだ。
しかし、最初はビックリはしたが、次第によくなってきた。
「えいっ!」
今度は私が玲子の首元から服の中に氷を放り込んだ。
覚悟をしていたのか、私のように「ひぇっ」って声には出さなかった。
しかし、なんかとてもいい感じになってきているようだ。目もおっとりしている。
なんだかんだ、身体を冷やすことができたが、服がびしょぬれになってしまった。
この暑さだと、すぐに温まってしまうのかな。
それは勘弁。
「このままだとだめじゃん」
「そうだね」
私たちはすぐに家に帰った。