『悪女達』のお茶会
免責事項
※R15推奨作品です
※女性読者は、うわぁ…って感じる方も多い話かも
※昔ノクターンノベルで読んで感動した、とあるR18作品に影響を受けまくっています。あと、他作品にもちらほら……丸パクリにはならない様に気をつけたつもりだけど、もし『完全に◯◯のパクリじゃーん」と不快させてしまったら、その時はごめんあそばせ
コードック帝国は自由恋愛主義である。
損得勘定ではなく、真実の愛で繋がった絆こそが百難を乗り越える原動力となり、国に悠久の平和をもたらすと言う考えが強く根付いているからだ。
その原則は王侯貴族でも例外なく適応される。
加えて言えば、帝国学院には『年功序列は重んじねばならぬ。しかし立場は、学生の間は王族も平民も同じ。対等な存在として接する事。』という取り決めもある。
だから極論、この国では平民ですら王族と結婚できるチャンスがある。
そんな中、超絶優良物件の第一皇子バトラーに年下彼女ができたことで、帝国学院は風雲急を告げる様相を呈していた。
「シュニーユ、貴女ぁ……分かっているでしょうねぇ。」
「ええアレニエ、私達は親切にアドバイスするだけー。今日は『親睦を深めるためのお茶会』ですものー。」
その場には2人の悪女がいた。
卑劣のアレニエ
色欲のシュニーユ
それぞれ、特技を活かし今まで散々と周囲に金や労力を貢がせてきた来た女達。
互いにその本性を見抜いており、見下し合い、蛇蝎のごとく嫌いあっていたが、本日はある思惑が一致してお茶会を開いていた。
その思惑というのは
「失礼します。スコーピ・オンセルパンです。本日はお招き下さりありがとうございます。」
たった今入室して来た皇子の年下彼女をターゲットにして、二人の恋仲を引き裂こうと言うものであった。
実家の家格は高くない彼女達は、かって玉の輿を狙いそれぞれ皇子にアプローチしていたが心を射止めるに至らなかった。
そして、それでも諦めきれず互いに牽制し足を引っ張り合っているところで、年下娘に獲物を掻っ攫われたのだと逆恨みをしていた。
「ようこそ…歓迎するわぁ。念の為、先に言っておくわねぇ。私達、皇子の事をお慕いしているのだけれど、だからこそ二人の仲を純粋にお祝いして、応援したいと思っているのよぉ」
「きっと今、嫉妬やら何やらされて大変じゃないー?だから何か相談に乗れたらなーって思っているのー」
笑顔でぐつぐつ煮えたぎっている内心を覆い隠し、いけいけしゃあしゃあと、そんな事を言う悪女コンビ。
「ああ、良かった。実は、ここにくる前はどんな思惑で先輩方がお招き下さったのかと緊張していたんですよ。お2人が私の敵ではなかったようで、良かったです。」
それにまた、笑顔で答えるスコーピ。
純粋そうな娘を罠に嵌めてやろうと、アレニエが茶会を始めるべく紅茶を入れる。
それは悪女達の内心のように沸きたっており、悪意に濁った血のような色をしていた。
◇
スコーピは目の前の2人を見ながら思う。
あまり良い噂を聞かない先輩方から呼び出された時は身構えたが、友好的な態度をとってくれているし、とりあえず急に襲いかかられるようなことはなさそうだと。
彼氏ができるまであまり自覚出来なかったが、どうやら自分の物の見方、考え方は、世間一般のものとは少々ズレているらしい。
だから、アレニエ達は自分の事を本当に憂慮してくれているのか、それとも笑顔の裏で何か企んでいるのか、今のところはわからない。
なら、わからないなりに、『とりあえず彼女達は敵ではなさそうだぞ』という直感を信じ、また自分と友誼を結ぼうとしてくれているという前提で、こちらも友好的に接していこうと考えた。
「それで今…進展はどうなのぉ?ぶっちゃけトーク…してほしいなぁ」
「人払いもしているしねー」
先輩方の質問に、ついぞ最近まで恋愛経験のなかったスコーピは思う。「進展」と言うのはどう言う意味だろうと。
それが精神的な繋がりを言うのなら、日に日に強固になっているのを感じてはいる。しかし平素のクラスメイト達の会話を鑑みるに、もっと即物的、物理的な繋がりであろうと当たりをつけた。
「それについては、『残念ながら全く進んではいない』、とお答えしなくてはなりません。おそらくバトラー様は現在、私との肉体的接触にさほど興味を示しておられないのだと思います。」
だから形の良い眉を八の字に下げてそう答える。
スコーピはかなりの美少女だ。
ふんわりウェーブのかかった栗色の髪に、大きな目、小さい鼻と口。それに小柄な体躯もあいまり、「可憐だね」「可愛いね」とよく言われてきた。
だが所詮は『少女』で『可愛い』である。
目の前の先輩方、特に肉感的な体躯をしているシュニーユのようないわゆる男好きのする身体ではない。
年上のバトラー皇子にとって自分はまだ年下の後輩という側面が強く、大人の女としては見られていないのだろうと自己分析している。
スコーピの実家オンセルパン侯爵家は、優秀な外交官や軍師を数多輩出してきた名家である。
一族の多くが知略策略に秀でている一方で、代々、肉体的な才能には乏しいものが多かった。
「あらあ、ひどいわバトラーさまったらー。スコーピちゃんにそんな寂しい思いをさせるなんてー。」
「あ、いえシュニーユさま。別に寂しいとかそういうわけでは……」
「でも、それならいい方法があるわよー」
笑顔でそんな事をシュニーユ達が言ってくる。基本的に素直で知識欲の旺盛なスコーピはその方法と言うものに興味をひかれた。
「今度一緒に、他の殿方達と遊びに行きましょうよー。そこで私が、女の魅力を使った男の惹きつけかたをレクチャーしてあげるわー。」
「あら…いい考えねぇ…これで結構モテるのよ…彼女。スコーピちゃんは可愛いからぁ…少し経験を積めばきっとバトラーさまもすぐに振り向いてくださりますわぁ」
――バトラーに振り向いてもらえる。
そんな甘言で破滅への道に誘ってくる悪女達。その言葉は悪意による物だと気づかないスコーピは
「それはやめておきます。せっかくのお申し出下さったのに申し訳ありませんが……」
眉尻を下げ、心の底から申し訳無さそうにしながら、しかしきっぱりと拒絶の言葉を告げた。
「あ、あらーどうしてー?」
「家訓に『競うな持ち味を活かせ』というものがあります。相手の長所を真似て競うのではなく、自分の得意なことを最大限に生かして勝つべしという意味です。」
弓兵が重装歩兵の戦い方を真似ても、いいことは何もないのだよ。
高齢の武術の達人は力ではなく技で力自慢と勝負するんだ。
有能な軍師である父から様々な受け売りを、長年かけて咀嚼し血肉にしたスコーピ。彼女は若くしてある種の悟りに達してした。
「それと同じで、『恋の戦い方』だって人それぞれですから。時間をかけてゆっくり信頼を積み重ねていくのが、今の私に合ったやり方かと思っているのです。」
甘言に惑わされずあっさりと真理を口にしたスコーピに、シュニーユ達は固まる。
「それに……バトラー様は倫理観も立場もおありになる王族です。仮にも次期国母の座にいる私が、他の殿方と遊びに行くのも、色気を前面に押し出すのも、不快ではないかと思うのです。」
当たり前のことを当たり前のように言うスコーピ。
一方でシュニーユ達への配慮も忘れない。
「あ、勿論シュニーユ様のやり方自体を否定する訳ではありませんよ。そう言った女性に惹かれる殿方もおられるでしょうし、お付き合いする男性の好みは人それぞれですから。ただ、バトラー様の好みではないというだけで……」
しかしそれは穿った見方をすれば、アンタじゃ殿下は落とせないわ。あと、いままで貴女側にいたのはその程度の男なのね、ともとれるメッセージとなっていた。
「で、でも!異性として見て貰えないって悲しくない?」
「勿論、もどかしさはあります。しかしまあ、それもまた恋のうちと言いますか……先に精神的な繋がりを強固にするのに注力するのも、また一興と考えておりまして。」
堅牢な砦を作るには、まず基礎がしっかり作られている必要がある。それに毒蛇は焦らない。スコーピの言葉には、焦って一足飛びに事を進めようとしてはいけないという確信があった。
「き、綺麗事に聞こえてしまうわ。それに、男女の交わりもなしにいつまでも男心を留めておけるって自信はあるの!?」
「うーん、殿方は愛のない相手でも抱ける生き物らしいですからねぇ。身体の繋がりで心を射止めるという前提が私にはちょっと……」
のんびり語尾を伸ばす余裕も無くしたシュニーユの反論も、あっさりと封殺するスコーピ。そして次のセリフがとどめだった。
「だって、娼館に通いつめる人が皆、娼婦に恋している訳ではないでしょう?」
◇
はじめに思っていたよりもずっと手強い。
他の男を当てがい2人の仲を引き裂いてやろうとしていたシュニーユをあっさりと返り討ちにし、そのプライドを打ち砕いたのを見て、アレニエはスコーピへの認識を改めた。
眼前の小娘はおそらく、まだこちらの悪意に気づいてはいない。気づいていないにもかかわらず、こちらの甘言に全くブレない。
まず思慮深く、精神的に安定している。少なくとも、同世代によく見る『恋に恋する浮ついた感じ』が全くない。
先程の『先に精神的な繋がりを強固にするのに注力するのも、また一興』という回答は強がりではなく、彼女が自分の恋に向き合って苦しんだ末に得た一つの答えなのだ。
それは一見すると悟りに達した聖女のようだが、おそらく、それとは趣きが異なる。
どちらかと言えば、生々しい戦場を俯瞰的に眺める老練な軍師の様な凄みが、スコーピの振る舞いにはあった。
しかし、アレニエは諦めない。
確かにシュニーユは返り討ちにされた。
だが奴の強みはあくまで色気、深謀遠慮は得意分野ではない。
一方で自分の強みは狡猾さだ。この茶会だって、自分が主導ですすめたもの。ここで撤退する様なら悪女が廃る。
だからアレニエは眼前の無垢そうな少女をなんとしても罠に嵌めるべく、次の一手を打つ。
「なるほど…スコーピちゃんは素敵な恋をしているのねぇ。」
「はい、お陰さまで。いえあの、すみません。本来は謙遜する場面なのでしょうが、バトラー様まで貶める様な発言はしたくなくて。」
「あ、あはは…ところで、2人はどうやって恋仲になったのぉ?たぶん生徒会での繋がりがあったのだとは思うけれどぉ」
これは、アレニエの本心からの疑問であった。自分達のアプローチに全く靡かなかった皇子が、なぜこんな小娘に惹かれたのか皆目検討がつかない。
またこの質問は、どう次の攻撃を展開するかのための情報を収集でもあった。
『条件さえ整えれば、人は必ず裏切る』
それがアレニエの座右の銘であった。
誤解や勘違いも含めて、という前提がつくが、ともかく条件さえ揃えば聖女だろうと忠臣だろうと、人は必ず裏切る。
例えば恋愛ならば、それを通じて得たい、何かしらの欲求や打算が、人間には必ずあるはずだ。そして先程の会話から性欲やスリルは除外されたとみていい。
ならば残るは金銭欲、名誉欲、安心欲求あたりか。
交際に至ったきっかけを通してこの女や皇子が相手から得たいモノが正確に分かったならば……それを餌に裏切りを誘発し、2人の仲を引き裂く条件を整えるのことが自分にはできる。
そんな思惑の詰まったアレニエの問いに対してスコーピは、「そう、ですね。」と思案する。
そして少し温度の下がった紅茶を一口含み、ひと息ついてからゆっくりと話始めた。
「一言で説明するのは難しいので、私が先輩を好きになったきっかけからお話しするのが良いかと思います。少々長話になってしまいますが」
─────
私がバトラー様と初めてお話ししたのは半年程前、入学して、生徒会に入った時のことです。
ご存知かとは思いますが、生徒会にはいるメンバーは基本的に学院からの指名で決まります。
入試で好成績を残し、かつ将来、王家に携わるであろう家格の者が、実務経験と繋がりを作るために選ばれることが多いようですね。
実は私、父から『生徒会の活動は新人は比較的小さな案件から仕事が振られるが、それでも充分に面倒な仕事ばかりでストレスも多いから覚悟しておく様に』と言われておりました。
事実、この学院の生徒会の仕事というのは平民の学校によくある様な生徒間の活動ではありません。
外部の大人達を交えた、金銭や利権を含んだ様々な事業の運営なのです。
にもかかわらず新人の私達に、生徒会長であるバトラー様は大きな案件を複数お与えになったのです。
私達はとても無理だと悲鳴をあげました。しかし「君達ならできるはずだ。責任は僕がとるから」と諭され、その案件を始めてみて驚きました。
当初は無理だと思っていた企画がトントン拍子に進み、本当に楽しい仕事ばかりだったんです。
私達は「案ずるより産むが易しだったね」なんて言って笑いあっていました。
……ですが、本当は違っていたんです。
全てがトントン拍子に進んだのは、全部バトラー様があらかじめお膳立てしてくださっていたからなんです。
私達に先んじて企画を進める上で問題となりそうな関係各所を礼儀正しく訪問し、丁寧に話を聞いて折衝を済ませておられたのです。
面倒くさい準備を全部済ませた上で、楽しいところだけを私達に手渡して下さっていたんです。
私がそれに気づいたのは、全てが済んでからでした。それも、父から言われていた実態と違うことに違和感があったことがヒントとなり、やっと気づけたものでした。
自分と二つしか年のかわらない先輩が、このような行動をなさっていたということに、とても驚きました。
正直に申し上げますと私は、その時点でかなりバトラー様に対してのぼせていたと思います。しかしそれはまだ敬意であり、恋愛感情ではなかった……と思います。
それと同時に、今まで気づけなかった自分に対して、焼けるような恥辱を感じました。
それで、ともかく早くお礼を言わねばと、バトラーさまがお一人になったタイミングで話しかけたのです。
そうしたらバトラー様はおっしゃいました。
『いやー、気づかれちゃったかぁ。僕もまだまだ未熟だなぁ』
その物言いに、私は少し腹を立ててしまいました。
『失礼ですが。それだと私達はずっと気づけないことを前提に考えていた、という風に聞こえてしまいますよ』
そうするとバトラー様は苦笑いしておっしゃったのです。
『いや、ごめんね。実はその通りなんだよ。君の一学年上のメンバーも、副会長も、何なら先代、先先代の会長まで含めて、今まで僕がこう言った根回しをしていたことに気づいた人は、誰もいなかったからねぇ』
その言葉に私は衝撃を受けました。
この先輩は、どれほどの傑物なのか。
誰にも気づかれないことを前提にしながら、我々のことを、これほどまでに思い陰ながら支えて下さっていた。それは、私にとって想像もつかない出来事だったのです。
『まあ、次期国王として首尾は上々だよね。やっぱり、国民にはできるだけ思い悩まず幸せにいて欲しいから』
国民には、家臣側近も含まれることが明らかでした。抜きん出て優秀なバトラー様は、自らの傍に並び立てるものはいないということを、十八年の人生経験で悟っておられたのです。
そして最後にバトラー様は、私にトドメを刺しました。
『……でもまあ、一人は気づいてくれる人がいたか……嬉しいなぁ』
寂しそうな笑顔になって、そうおっしゃったのです。
衝撃でした。
私にとってほとんど万能にすら思える次期国王。
そして常に微笑を湛えながら、滅私の姿勢で方々に心を砕くお方が、心の奥底でこれほどの孤独を抱えている。
その事実に、胸が強く締め付けられました。
心臓を鷲掴みにされた、という言葉の意味すら身をもって知りました。
これほど素晴らしい方がこんなにも苦しんでおられる。
自らは孤独であるのが当たり前であると、思い込んでしまっている。
そのことに気づいた時に、私はたまらなくなりました。それは大それた、身の丈に余る、大きなお世話なのかもしれません。
ですが私はたまらなく、それを欲してしまったのです。
私がこの人を幸せにしたい。
尊敬する先輩が垣間見せた、その弱々しい姿。
その姿を見て、すっかり虜になってしまったのです。
私は思わず口走りました。
『わ、私がバトラー様を幸せにしますよ!』
『……?』
無言で小首を傾げるバトラー様を見て、私は死にたくなりました。あの時の怪訝そうな表情は今も忘れられません。
聡明なバトラー様ですが、あの時は困惑されていました。それはそうでしょう、私自身もまた、自分が何を口走ったか理解できていなかったのですから。
なにせ私は今までの人生で、ただの一度も『恋愛』というものに魅力を感じた事がありませんでした。
同世代が恋の話に夢中になっているのを尻目に『ああ、私はきっとそっち方面にはあまり夢中になれないタイプなんだろうなぁ』なんて思っていました。
しかし、そうではなかったのです。
後に自覚した自分の性癖。
撃ち抜かれて初めて知ったウィークポイント。
私はどうやら『普段完璧な弱みなどない様な人が、その弱いところを自分にだけふと見せた時にグッとくる』という、面倒な嗜好の持ち主だった様です。
ただ、その瞬間の私は、それを冷静に分析できる状態ではありませんでした。何せ心臓を撃ち抜かれ、真っ赤な鮮血が吹き出ている最中でしたから。
相手が普通の方なら、私はその場で失恋していたでしょう。
急に変なことを言い出した、気味悪い後輩として距離を取られても不思議ではありません。
我に返ったわたしは、引き攣った愛想笑いをしながら
(いやああああーー、絶対に変な子だと思われましたあぁぁー!)
と内心パニックになっていました。
しかし、バトラー様は普通の方ではありませんでした。
傑物でした。
『あはははは!』
ごく僅かな情報から、私の全てを見抜き、笑い始めたのです。そして輝く様な笑顔でおっしゃいました。
『君、最高だね。僕から何かを貰おうとするのではなく、逆に与えようとしてくれる娘は初めて見たよ。それじゃあ、幸せにしてもらおうかな』
普段の穏やかな微笑とは違うバトラー様の笑顔を見ながら、私は誓いました。
開始一秒で失恋しかけたこの初恋は、最高の形で成就させてみせる。
そしてこの手で必ず、バトラー様を幸せにする。
すべての民のための心を砕くこの方を、孤独になど絶対にさせない。
私が、絶対に。
そう誓ったのです。
─────
スコーピが語り終えたとき、紅茶はすっかりぬるくなっていた。
今まで、どんな女のアプローチにも全くなびかなかったバトラーが、スコーピをみそめたのは何故なのか。
その明確な理由を、アレニエ達はこの僅かな時間で嫌という程思い知らされていた。
スコーピはアレニエ達とは対極に位置する、光属性の少女であった。
『重くて、とても愚かな娘』
バッサリそう一言で切り捨ててしまいたい。
そして、得意の策略に嵌めてやりたい。
だが、それが出来ない。
この娘は重いわけでも、愚かなわけでもない。
無意識のうちに、嫌でもそう感じとってしまう。
アレニエは今まで、相手の浅ましい欲望を逆手に取るやり口で多くの相手を操ってきた。しかし。
『バトラー様を幸せにしたい』
目の前の少女は、ただそのシンプルな願いだけで動いている。
打算がなければ、そこには重さも愚かさも、そして付け入る隙も、存在しようがないのだ。
だが……その生き様は自分のポリシーとは真逆のものである。そのやり方で、自分では掴めなかったバトラーからの寵愛をあっさり掴んでいった彼女のことを、アレニエは容認することが出来ない。
スコーピは強敵だ。しかし、奴はまだ十六歳。
そして結婚可能となる年齢十八歳。
最短でさえ、二年もの猶予がある。
短期決着を望まなければ、まだやり様はある。アレニエは泥沼の長期戦を戦う覚悟を固めた。
「そう…それは素敵な恋ねぇ。でもぉ…もっとバトラー様を幸せにできる女性が現れたときは…どうするのかしらぁ」
言いながら、先程圧倒され、心が折れかけているシュニーユをテーブルの下で軽く小突く。そして歪んだ信念を込めた最強の持ち札を切る。
「いい?『条件さえ整えば…人は必ず裏切る』のよぉ…その時の事は考えておいたほうがいいかもねぇ。まあ、これは二人の仲を応援しているからこその言葉なのだけどぉ…」
「た、確かにねー。それで例えばバトラーさまが他の相手と結婚しちゃったら、貴方はそれでもいいのー?」
『お前と同様にバトラーの幸せを切に願う、能力的にも上位互換と言える存在が現れたら、その時お前は潔く身を引けるのか』という、意地の悪い仮定の問い。
そんな存在が、そうそういるとは思えない。
しかし、ないことの証明というのは難しい。
いわゆる悪魔の証明というやつだ。
これはスコーピの言葉に感じたほんの僅かな綻び。そこから遅効性の毒をいれてやろうと思った。
「そう、ですね」
思案するスコーピを見ながらアレニエは思う。
きっと、続く言葉は「それのときは潔く身を引きます」とか、その辺りだろう。皇子の幸せのみを願うなら、それが合理的判断なのだから。
だが、それは所詮机上の空論である。
恋愛とは正論がいつまでも続くものではない。理屈と感情は別問題なのだ。
恋という非論理的な感情や本能が根底にある以上、どうしても制御不能な部分は出て来てしまう。
つまり、嫉妬心という遅効性の毒でもってスコーピが理性で押さえている女の本能を存分に刺激し、いずれ非合理的で利己的な行動を取らせようという画策だった。
もちろん、1日や2日で成果は出ないだろう。
だが、1ヶ月なら、2ヶ月なら?
一年、二年なら?
そうだ、毒がきいてくるまでは友人としてこの小娘とは仲良くしておいてやろう。そして定期的に嫉妬心を煽りながら、皇子に近い立ち位置をキープするのだ。
そして、いつかスコーピが嫉妬で崇高な志を忘れたとき、バトラーは深く失望するだろう。
失望すれば人間は判断力が鈍る、その隙につけ込んで既成事実を作ってしまえば、一丁上がりである。
その方法では女性として愛されることはないかもしれない。しかし王女としての財、地位、名声が手に入るだろう。そして、それこそが自分の望むものである。
「それは、とても嫌ですね。とても悔しいです。とても、とても、とても……」
スコーピはそう言うと、一度濁った血の様な色をした紅茶のカップを覗き込み。
「とても、熱い。想像しただけで、胸にドス黒い嫉妬の炎が渦巻きます」
視線をあげたとき、彼女の瞳からハイライトが消えていた。
しかし、言葉や所作は穏やかなままであった。
「ですがこれほどの負の激情を覚えるのも、私がバトラー様をお慕いしているからこそ。なので、もしそんな素敵な女性が現れたのなら、師事させて欲しいと、その方には伏してお願いするでしょうね。」
静かな口調で「無論、いずれ超えるべき壁として」と続けながら滲み出る迫力に、アレニエは背筋を寒くさせる。
どうなっているんだ、コイツのメンタルは!
嫉妬の焔に焼かれながら、しかしその相手に会って学びたいという。
必ずいつかその相手を超えるという意思?
それができると信じて疑わない精神の強さがあるから?
だから、浮気話にすら揺らがないのか?
しかし、何か引っ掛かりを覚える。
「で、でもー。師事している間にその女が結婚してしまったらどうするのー?」
「そ…そうよぉ…それは怖くないのぉ?」
その言葉に、スコーピは苦笑いを浮かべた。
「それは、まあ、もちろん由々しき事態ではありますよね。ええ、そうなってしまえば困りますとも。しかしですね」
そして一息つくと、その少女は言った。
「結婚には、離婚という対になる言葉があるんですよ」
さも当然という口ぶりだった。
その言葉と物言いに、ぞくり、とアレニエ達の背筋が凍る。
「それに先程、アレニエ様も申し上げたではないですか『条件さえ整えれば、人は必ず裏切る』そうでしょう?」
そこで彼女はアレニエの顔を見ると、軽く悪戯っぽい笑みを漏らした。
「それとですね、言い損ねておりましたが、私はこの恋の戦いに臨むにあたり、バトラー様とお付き合いを始めた際に、少しばかり卑怯な仕掛けをほどこしているのです」
「しかけ?」
「はい。その仕掛けがあるからこそ、アレニエ様のお話にも、何とか取り乱さずにいられるのかもしれません」
「どういうことかしら……?」
そして少しぬるくなってきた紅茶をまた一口飲んでから、再び話し始めた。
──────
交際を始めるにあたり、私たちは認識のすり合わせから行いました。
なにせ、今まで違う環境で育った者同士ですからね。
何に重きを置いていて、何が許容できないのか、どんなことに幸せを感じるのかというのをまずよく話し合っておくべき言うのが、私たちの共通認識でした。
え?少々ドライに感じてしまいますか……。
アレニエ様はそういう認識なのですね。私と王子は、親族が外交の場に出ることの多い家系なのでそれが「普通」でした。
ええ、だからやはりこのすり合わせは必要だったかと。
そこでバトラー様はおっしゃいました。
『すまないが君を愛することはできない。それでよければ交際しよう』
ふふ、意外ですよね。まるで恋愛小説の悪役のようなセリフですもの。
事実、これは必要以上に誇張された強い言葉です。
正確には『王族として公明正大であることが最優先。恋人や妻であっても特別扱いはできない』という意味でした。
それに、どういうわけか王族の男児は代々、どれだけ妻のことを愛そうとも『一番に愛するのは国家国民』という本能を授かってお生まれになるそうです。
お血のなせる御業か国の守護精霊様のお導きかはわからないそうです。しかしとにかく『そう』なのだと。
もちろん、それで良いとお答えしました。私の一番の目的は、皆のために人知れず心を砕くバトラー様を理解して愛しぬくこと。そして孤独から救いお幸せにして差し上げることでしたから。
しかし、その一方でバトラー様はそれでは申し訳ないと、また王族としての公明正大さを損なわない範囲であれば、私の望みは何でも叶えたいと言ってくださいました。
そう言われた瞬間、私は走馬灯を見ているような状態になりました。
そうそう、走馬灯は生死を分ける緊急事態だと脳が判断した時、リミッターを外して超高速で思考することで見るものの様ですね。私の脳は、あの時どうやらそういう状態だったのだと思います。
そんな経緯で、高速で思考を纏めた私はお付き合いを始めるにあたって、一つだけある条件を提示したのです。
それは、私よりもっと大切な女性が出来たら、遠慮なくそちらに乗り換えて頂くということです。代わりに私のことは二号さんでも、あるいは元どおりの親しい後輩にでも格下げしてよいので、変わらず傍に置いて欲しい……そうお願いしたのです。
男にばかり都合の良い条件?
そうでしょうか。このお願いは、果たして殿方にだけメリットがあるお願いなのでしょうか。いいえ、私はそうは思いません。
『偉大な戦略には敗北が織り込まれていなくてはならない』
これは、軍師である父の教えです。『恋と戦争は手段を択ばず』という言葉もあるように、戦争の教訓は恋の戦いにも活用できる点が多いと、私は考えています。
如何に優れた軍師であっても、敵も死力を尽くして向かってくる以上、常勝はあり得ないそうです。そして、そこで必要なのは、予期せぬ敗北を喫した場合の『プランB』。
これを恋愛に置き換えるなら……はい、そうです。私は恋愛において『敗北』を、『バトラー様に自分よりも大切な女性が出来てしまった場合』と定義しました。
そしてその場合の『プランB』こそが……『元どおりの親しい後輩にでも格下げしてよいので、変わらず傍に置いていただく』という戦略なのです。
私はバトラー様との恋愛において、敗北後に最も避けなければならないのは、『バトラー様の方とのつながりが完全に断ち切られた状態』に陥ることではないかと考えています。
そして、いいお相手ができてフラれた直後にこの状態になってしまう可能性は、それなりに高いといえるでしょう。
たとえば『別れ話が拗れて仲違い、その後2人は没交渉』そう言った類の話は良く聞きます。自分だけはそうならないという、何の根拠もない楽天的観測で恋の戦を進めてはなりせん。
まず、この取り決めをしていることで別れ話がでた際のトラブルを防げます。
そして、この取り決めがある限り私は永遠に『彼女、あるいは妻(仮)』という立場。『バトラー様は完全に自分のものになってはいない』という立場にあえて立っていることで、いざという時に醜い嫉妬心に狂い暴走することを回避します。そもそも自分のものでなければ、『略奪される』わけではないですからね。
だからこその『プランB』。
それはバトラー様の自由を保証する一方で、それ以上に私にとって最悪の事態を防ぐ、強固な城壁なのです。
この約束が守られる限り『バトラー様とのつながりが完全に断ち切られる』心配は無いのです。そして幸い、私はそれなりに『使える人材』でして、恋愛を抜きにしても、王族として手元に置いておくメリットのある女でもあります。
一度アレニエ様の立場で考えてみてください。自分を慕う後輩、かつ使える人材を、友人という名のパートナー候補として常に『キープ』出来る……ね?そんな都合の良い申し出、拒否されるはずがないでしょう。
そして、傍にさえ居続けることができれば、学び成長して捲土重来するチャンスは無限にあります。そこでまた敗北しても一向にかまいません。勝つまで続ければいいのですから。
正直言って私は、理解できないのです。考えもなしに憧れの人に告白して、しかもそこで振られた程度で、恋を諦めてしまう人の気持ちが。
ダメでもともと?当たって砕けろ?
……甘いにも程がありませんか?
それが本当に手に入れたいものならば乾坤一擲の覚悟をしてもなお足りない。
全身全霊を尽くし深謀遠慮を巡らせる必要があります。憧れの人のことを誰よりも知ろうとし、自分の美点は全て伝わるよう努力を重ね、自分を高め、そして場合によっては辛抱強く時期を待つ。
それが分不相応の恋だと思うなら、なおさらのこと。
男女は本来与え合うもの。分不相応の恋が叶うということは、大好きな相手から一方的に様々なものを奪いかねないことです。そんな望みを簡単に叶えようとするなど、虫が良すぎて反吐が出る。
僭越ながら私は、バトラー様への思いに殉じる『覚悟』を完了しています。
正直に申し上げますと。私はあの日までとてもつまらない人間でした。周囲は聞き分けの良い子だと思っていたようですが、その実はとくに執着できるものがなく、だからこそ、ただ周囲から望まれる振る舞いをしていただけなのです。
ですが、バトラー様と二人だけで話したあの日、私はついに知ったのです。
私の中にも激情と呼べる感情が存在するということを。
だからこそ、私はこの初恋に殉じるのです。
だからこそ、逸る気持ちを押し殺してこう申し上げたのです。
私は。
仮初めの恋人で良い。
好きな人が出来たら乗り換えて良い。
自分は友人としてもらって一向に構わない。
そのかわりに、何があっても傍に置いて欲しい。
そう『お願い』したのです。
我が家は代々、軍略と外交を担ってきた家系です。
だから、今の平和がどれだけの戦いと犠牲の上に築かれたのか、少しだけ同世代の中では詳しいと自負しています。
そして頭脳明晰な大人たちが英知を結集し、理詰めで締結した国家間の平和条約を維持するのでさえ、今もなお水面下で多くの戦いが続いている。
ならば恋愛では、それ以上の戦いを覚悟せねばならぬ。
私はそう考えています。
先ほど、バトラー様が私以外と結婚したらどうするのかと問われましたね?
内心面白くは感じないでしょう、しかし私はそれでも一向に構いません。戦いとは辛く苦しいもの、それが『現実』です。
それに誰と何をしていた過去があろうと、相手がバトラー様というだけで私はいつまでも愛せます。
別の女性との子供がいても、きっとその子供も含めて愛せると思います。
私は『永遠の愛を誓う』という言葉が好きです。
それは永遠の愛を実現するために、人生をかけて戦い続けることを誓う決意表明だからです。
そう、永遠に。
この命続く限り、ずっと。
─────────
アレニエはもう返す言葉が無かった。
確かに自分は先ほどまで『短期決着を望まなければ、まだやり様はある』と考えていた。
そして歪んだ信念を込めた最強の持ち札を切った。
『条件さえ整えば…人は必ず裏切る』という、遅効性の毒をいれてやろうと思った。
だがそれは、最長でも一年や二年を想定した話だった。
そして、隙につけ込んで既成事実を作ってしまえば、一丁上がりだと考えていた。
しかし、違った。
スコーピは前提からして違っていた。
戦いはもっと長く続くのだという『覚悟』を完了していた。そしてその期間は10年20年という生易しいものではない『この命続く限り、ずっと』だ。永遠に戦い続ける覚悟が出来ている。
『条件さえ整えれば、人は必ず裏切る』
それは二人の共通認識だった。だからこそ、この先、もし何らかの形でアレニエがバトラーを手に入れることができたとして、そこに待っている生活に平穏は訪れない。
スコーピという女を知ってしまった以上、いつか彼を取られるという恐怖とストレスにまみれた生活が続くことになる。そしてその『いつか』は、必ず来るのだ。
◇
「あの、すみません。私なんかが偉そうに長々と話してしまいまして。バトラー様のこととなると、どうしても夢中になってしまって……」
「い、いいのよ別に、ちょっと、その驚いたけれど。ねえ」
「え、ええ。全然気にしていないわ。その、ちょっと驚いたけれど」
あらあら、アレニエ様達、なんだか少々口調が変わっているようにお見受けします。なんだか少し余裕がないような……友好的な姿勢を崩さないお二人にご安心頂けるよう、私は微笑んで言いました。
「でも、良かったです」
「な、何がかしら」
「お二人が敵ではなくて、です。」
「「……ッ!」」
その言葉に、アレニエ様達は一瞬、言葉にお詰まりになりました。
「いえ、バトラー様はおモテになるでしょう?実はお二人に呼ばれた時、『もしお二人もバトラー様のことをお慕いしていて宣戦布告でもされたらどうしようか』と少々身構えていたのです。ですが今日お話しさせていただいて、私の身勝手な勘違いだと分かりました。『お二人が敵ではなくて良かった』です。」
これは、恋の戦いを続ける上では、避けてはならないセリフです。もしもお二人がバトラー様を恋慕しているならば、権謀術数を抜きにして、女のプライドを懸けて全否定しなくてはならぬ、そんなセリフ。
「あ、あらっ、いやねぇ。」
「そ、そうそう変な勘ぐりをするのは良くないわ」
しかしお二人は、笑いながら、そう口にされました。
ああ、よかった。学園中にいる我が家の『目』や『耳』からは、お二人には悪女の素養があるとの情報もちらほら入っていましたからね。
『もしもの時は、単なる恋の戦として終わらせてはならぬ。バトラー様に害が出ないように財力も権力も人脈も暗部すらも、本当の意味で手段を選ばずに使い、排除しにいかねば』と考え、備えていましたからね。
杞憂に終わり、その札を切らずに済んだこと、お互いにとって本当によかったと思います。
「いえ、本当に申し訳ありません。まったくもって失礼な邪推でした。もし恋敵であれば早々に勝負を決めようという言動はなさらないはずですし……勝負すらしようとせず土俵から降りるのは論外ですものね。」
私は最後に、すっかり冷めてしまった紅茶を飲みほし笑顔を作って言いました。
「すっかり遅くなってしまいましたね。そろそろ失礼します。でも本当に良かった、お二人が敵ではなくて」
結局、人の心の機微にまだまだ疎い私には、お二人の本心はどちらだったのか分からずじまいでした。
なんとなく、はじめは恋敵だったけれどこちらの覚悟を見て途中で撤退したのではないかと感じてはいますが……。
はてさて正解なのか、勘違いしているのか。
でも、私の答えはもうすでに決まっています。
『どちらでも良い』です。
今回お2人からのお誘いが来たのが単なる善意からならそれで良いし、悪意からであっても、遅れをとることはないと確信できたので別に構いません。
本当に良かった、お二人が敵ではなくて。
◇
部屋には無言で座り続ける二人が残されていた。
スコーピが退室した後、アレニエはカラカラに乾いた喉をうるおそうとカップを持とうしたが、手が震えてうまく持てなかった。
シャニーユはそそくさと退室しようとしたが、膝が震えてうまく立てなかった。
それで、二人は無言で座り続けていた。
スコーピは確かに光属性の少女であった。
しかし、同時にヤンデレでもあった。
そして愛の為なら悪にもなれる女だった。
彼女は『光のヤンデレ』だった。
勝てるはずがない、あんな純愛サイコパス。
悪女のプライドを捨て裸足で逃げ出すような無様をさらそうと、バトラーの件からは手を引く以外の選択肢がない。
そのことを2人は、無理矢理に理解らされてしまっていた。
コードック帝国は自由恋愛主義である。
その原則は王侯貴族でも例外なく適応される。
この、一見問題だらけにも見える仕組みで国がうまく繁栄し続けているのには、二つのからくりがあった。
一つは、どういうわけか王族の男児は代々、どれだけ妻のことを愛そうとも『一番に愛するのは国家と国民』という本能を授かって生まれてくることだ。
そしてもう一つは、どういうわけか『そんな王を誰よりも何よりも深く愛し、絶対に裏切らない聡明で一途な女』が定期的にどこかに生まれ、それが代々王により見初められて女王の座につき続けていること。
それは血のなせる御業によるものなのか、それとも国の守護精霊様の導きなのか、それは誰にもわからない。わからないが、とにかく『そう』なっている。
かくして、損得勘定ではなく、真実の愛で繋がった絆が百難を乗り越える原動力となり……今日もこの国に『平和』をもたらしている。
おおスコーピ、父の話をきいておくれ。
先日なろうに「壁に耳あり正直メアリー」という小説を投稿したんだ。
するとある作家さんから、ユーモアも賞賛もアドバイスも内包された、とっても素敵な感想を貰ってしまってね。
思わず、結末を書き直すとともに、作家さんのページに飛び新作を読み漁り感想を書きレビューまで投稿してしまったよ。
……え、ストーカーみたい?
いやだなぁ『純愛』だよ(暗黒微笑)
6/11追記
最新作できました!自信作だから読んで欲しい↓
転生したら山姥でしたが、幸せになってみせますわ!
N6668KI