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動物たちとの思い出

我が家の周りには、なかなか面白い動物がいる。

一番多いのは鳥。

カラス、サギ、ハクセキレイ、ムクドリ、ヒヨドリ。

時には、

キジ、カルガモ、キツツキ、モズ、コジュケイも見かける。

特にサギとキジは色が綺麗なので目立つ。

 今月上旬のテレビで、実家のあった大山町の農業用貯水池(上池と下池)が、

最近は白鳥の飛来地として紹介されていた。

僕が小学生の頃は、最上川の河口の酒田港付近にしか白鳥は来なかった。

給食のパンの残りとか家から持ってきた茶殻を、酒田の小学校に送っていた記憶がある。

近年、野生動物への餌付けはしない方向に向かっているので、餌を求めて田んぼの落穂拾いをやっているらしい。

昨年10月に紅葉見物、12月には忘年会を大学の同級生たちと開催したので、2回現地に見に行った。

昔はカモしかいなかった池に、沢山の白鳥が飛来していた。

実家の裏はすぐに山なので、子供の頃は野ウサギやキジが来て、生ごみを漁っていた。

野ウサギは冬毛の時は真っ白な姿なので、1度目は夏までペットとして飼い。

その後、大きくなったけれども背中が灰色に変わったウサギに飽きて、

世話をしなくなった僕に腹を立てた母がどこかに連れ去ってしまった。

2度目にもっと小さいのを捕まえた時は、近所の女の子が欲しがったので、あげた。

 ムササビが出た事もある。

リスだと思って追いかけたら、座布団のような忍者のような姿で滑空して逃げて行った。

裏山には毎年カタクリが咲いていた。コブシの木もあったし、オニユリも咲いた。

トンビは年中飛んでいたし、夏でも池にはカモがいた。

 だけど、子供の頃は、植物にも動物にも余り関心がなかった。

池のカモには石を投げていたし、ザリガニもメダカもカエルも、

獲った後は放置して死なせてしまっていた。

 小学校の高学年では、理科の解剖実習用のカエルを僕が獲ってきたのだが、

あまりに大きい食用蛙を獲ってきたため、先生以外は怖がって手を出せなかった。

この時、初めてホルムアルデヒドの瓶を見た。

4年生の時に転校して以来、図書館でドイルのシャーロックホームズ・シリーズ(子供向け版)を全巻読んでいた。

その中で麻酔薬としてホルムアルデヒドの名が登場していた。

ものすごく不気味な、しかし好奇心を刺激する瓶だった。

 そうそう、6年生の時だったか、夏休みの自由研究に、

蛾の羽と鱗粉の顕微鏡スケッチを同級生のU君と一緒にやって、

オリンパス社主催の顕微鏡コンクールに応募し2等賞をもらった。

僕の部屋に今も、この時にもらった樹脂製の賞状があると思う。

この時の1等賞の子は顕微鏡写真だった。

裕福なのがうらやましかった。

僕たちは理科室の顕微鏡を借り、ケント紙に鉛筆でスケッチしていたから。

田舎の生徒が全国コンクールで受賞したと聞いた地元の新聞記者が取材に来た。

シナぷしゅ君。

東京の湾岸エリアの公園には野ウサギもいないし、キジもいないだろうね。

でもハトはいるし、カラスだっている。夜はタヌキが出るかもしれない。

ネコやイヌだけが動物ではないんだよ。

動物園で見るのは外国の珍しい動物ばかりで、この国にいて僕たちと共生している野生動物は余りいない。

でも君が食べて寝て遊んでいるこの土地には、たくさんの動物たちがいて、食べて寝て生きているんだよ。

だからこの土地は人間だけのものではないんだ。

たくさんの動物や植物たちの、生きる場所、住む場所なんだよ。

そんな大切な場所を奪い合ったり、売ったり買ったりするのは、

恥ずかしい事なんじゃないかと、僕は思う。

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