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漸近線

例えば、部屋を掃除する時だけどね。

一気に片付ける事が出来ない時は、少しづつやって、残りは明日とか。

これが漸近線だとすると、一気にゴールまで引くのが、直線。

いくら頑張っても、なかなか成果が出ない時、イライラするし、苦しい。

ゴールまで遠く感じるからだ。

こんな時に漸近線を思い出して欲しい。

とりあえず、ここまで。次にあそこまで。

いつかは目標をクリア出来る。

そう考えれば、最初の一歩を踏み出せるのさ。

シナぷしゅ君、いきなり150km/hのボールを打つことは出来ないのだよ。

だけど、今日は80km/hが打てれば、それで良いのさ。

明日は90、来週は100を目標にすれば、そのうち150が近づいて来る。

世の中には、天才的な能力の人がいて、あっという間に150や160を打ってしまう。

一気に直線を引いてしまう人がいる。音楽の世界ではモーツァルトとか。

うらやましいかい?

映画「アマデウス」で分かるように、まあ彼は、短命だったし、

余り幸福な人生ではなかったようだね。

天才ではない僕等は、漸近線で良いのさ。

天才は数が少なく、チームに1人しかいないので、そのチームは弱い。

時間をかけて打てるようになった人を集めれば、強いチームが出来る。

これが「三人寄れば文殊の知恵」とか「民主主義」とかってやつかな。

最近、強いリーダーを求めたり、独裁者に媚びたりする兆候があるけど、

1人だけだと暴走しやすいよね。ブレーキが効かない。

ロシア、中国、アメリカのリーダー達は…。

それに比べて、日本は「ドングリの背比べ」みたいな、のどかな国だから、平和だよ。

ニュースの一番は天気予報で、交通事故や詐欺事件が主要なネタなんだから。

だけどね、シナぷしゅ君。明治時代から「漸近線」で改善されている。

寿命が長くなり、子供の教育環境も、女性の地位も向上し、町も清潔になり、

電車もバスも車も船も飛行機も、普通の庶民が利用できる。

シナぷしゅ君、なかなか理想のゴールに近付かなくてイライラした時には、

後ろを振り返ってみたら良いよ。

それが歴史を学ぶ意義なんだと思うよ。

「昔は良かった」なんて言っている老人は、

都合の悪いことを皆忘れている、ボケ老人だね。

「三人寄ってもゲスはゲス」とか反対のことわざもあるけどね。

真実は一つではないし、この世界に絶対というのはなかなか無いよ。

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