2次元の世界
シナプシュ君、風邪が治って元気に保育園に行っているそうだね。
良かったね。
今度の3連休には、一緒に遊べそうだね。
近頃、バッティングセンターで不思議に思うことがある。
スマホで動画撮影をしてもらって、自分のフォームを確認している人がいる。
そういう人が、割と下手なのだ。バットの芯でボールを捕らえていない。
特に準硬式球で打っている人に多い。
硬式球はカスっても前に飛ぶので、練習用としては余り良くないと思う。
ソフトボール>軟式>硬式
この順に、遠くに飛ばすのが難しいと思う。
だから、打球音で分かるのだが、そういうヘタな人は、失敗しても全然悔しくなさそう。
そういう人は、打ち損ねた球を、平気で、ボックス内に転がしたままで立ち去って行くから。
自分の姿や行動を客観視できない=自己中心的な人、なんだね。
シナプシュ君、人間の目が2つあるのは便利だとは思わないかい?
距離感が得られるんだ。
狩りをする時や捕食者から逃げる時に、この能力はとても大事だよね。
野球だと、ボールまでの距離が正確に分からないと、打てないし、捕球もできない。
アニメや漫画で2次元の映像に慣れると、外の世界は3次元だということを忘れそうになる。
僕たち人間は、右の目の情報と左目の情報と、両方の情報とで、立体的に見ているんだよ。
犬のような嗅覚も、猫のヒゲのような触覚も持たない人間が、
とても優れた視覚を持っているのは、すごいことだね。
君のお母さんやお祖母さんが地図を読むのが苦手なのは、生まれつきなのではなく、
子供の頃に外遊びをした経験が不足しているからだと思う。
平面の地図を見て、上空から俯瞰した街の姿を立体的に頭の中に浮かべるという能力には、
子供の頃に体で感じた、滑り台やブランコやジャングルジムでの感触や視覚情報が、
とても役立っているんだ。
だから、シナぷしゅ君は、元気で外でいっぱい遊ぶんだよ。
テニスや卓球と比べて、野球やサッカーではチームプレーが要求されるから、
状況判断とともに、チームの仲間が何を考えているかを察知しなければならない。
それは、家の中でオモチャで遊んだり、平面のテレビ画面ではなかなか強化しづらい能力だからね。
2歳になって、ようやく単語だけでなく、歌を歌ったり話をしたりできるようになったね。
うれしいよ。
君と宇宙のすばらしさについて話をするのが楽しみだね。
今朝、ゴミ出しに行ったら、西の空に下弦の半月が浮かんでいて、
そのすぐ下を、銀色の大きなジェット旅客機が飛んで行ったよ。
涙が出るほど、空気が冷たく、手が冷たく、でも水色の空はきれいに晴れていたよ。
2次元の世界では、月とジェット機はとても近い。
でも実際は、30万km以上離れているんだからね。




