第93ターン オレっち達、違反で不戦敗??
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
「誕生日とは、誰の誕生日なんだ!!」
物凄い形相で純らを問い詰める格ゲー常任理事国の監督ビッグバット。これに純が磊落に答える。対戦の後は敵味方なし、ノーサイド。それが純のプレイスタイルだ。
「おうよ、ビッグのオッサン。この源五先輩は今日が誕生日でよお。」
マズイ!事態を把握したチーム夢原のコーチ陣に戦慄が走る。ビッグバットがゆっくりと問う。
「じゃ、源五クンは、、」
「そ、そう、誕生日!高校二年生なんだよねえ〜」
コーチmakoが必死の抵抗を試みる。高2の誕生日なら、、17歳か。ビッグバットの顔には落胆の色が拡がった時、クー子が致命的な補足をしてしまう。
「だけど源五先輩は2回もダブっるから今日で19歳ナノダ〜顔見て、見て!老け顔だしょ?」
ビッグバットがにんまり。む〜ど、mako、比留多、蘭子、そして源五自身も全てを覚った。ただ純とクー子だけが老け顔ネタか?えなりかずきのモノマネに興じ始める。
「レフェリー!運営の皆さん!ここに重大な規則違反が見つかりました!」
ビッグバットが大きく、そしてよく響く観衆にさえ届く声で抗議を始める。
「本大会は若き格ゲー日本代表の選考会!その参加資格はU18つまり18歳以下です!」
「しかるにチーム夢原には19歳のプレイヤーがいる、これはレギュレーション違反だッ!」
ビッグバットの抗議にざわめく元帥記念公園。レフェリーの暇でしょ?先生が「今でしょ!」とばかりに大会本部席へと小走りに駆けてゆく。この状況に俄に活気ずく格ゲー常任理事国の面々。
「ワタシの想像力では、チーム夢原は失格になってワタシたち格ゲー常任理事国が勝ち上がることになるかも知れない。」
「でも他人の不幸が自分の利益になるなんて、、アタシのせいで誰かが傷つくなんて受け入れられないわ!」
例によってクセのある言い回しで歓喜の悲鳴を上げる赤毛のゴスロリことアン・コールズ。大きな両のドクターマーチンをバタバタさせながら興奮気味だ。
ありぃ、、ようやく状況を把握しつつあるクー子に生きるイノセントワールド純が不思議そうに尋ねる。
「オイッ、クー子!なんかmakoちゃんとか皆んな暗い顔してるけど何かあったのか?」
「、、純、アタイらルール違反してたみたいナノダ、、、」
ルール違反?なんだよそれ。オレっちは曲がったことは大嫌いダゼと純。意気がるようなことを言ってみせるが、対戦に勝利も一転、どうやら厳しい状況にあることは理解したようだ。
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・源五先輩 げんご せんぱい
純のクラスメートの留年生で3年目の高校二年生を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。
・ヨウヨウ ようよう
医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験のある、あざといアラサー。
・花崎 誇 はなさき ほこる
格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンな空手家、ゲンの遣い手。
・デコ、ミッチ
クー子の友達で純のクラスメート。




