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第34ターン 再登場、Dr.スランプことケーシー花崎

格ゲーの始祖、日乃本 たける。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!

 アケコンではなく専用コントローラー、純のこだわりは何故か。クー子は無論、純本人さえも判然としないが確信めいた心の声がそこにあった。


「分かったわ、じゃ指の筋力、そして反応速度をレベルアップする必要があるわね。」


 事務長ヨウヨウがそう言った時、事務室に懐かしい顔が現れた。


「あ、Dr.スランプ、ケーシーなのダ!」


 クー子が目敏めざとく見つけ声を上げる。純も()()()に声をかける。


「お、アニメちゃん。久しぶりだな!」


「久しぶりダネ、日乃本くん。その節はどおも。格ゲー、練習は進んでいるのかい?」


 恰幅の良い中年男。顔は青春の名残りか、ニキビの跡のあばたづら。医療法人花崎会の理事長、ケーシー花崎その人だ。


「それがよ、どうにも新しいのはコマンドがムズくてよ、オレっちマイチッングなんだよ。」


「おお?新しいの。そうか、ロード・バトラーの新しいのか。で、つまりユーが言ってるのは操作が難しい、そういう類か?」


 ああ、そんなところさ。そう言って肩をすくめる純、首を振ってみせるクー子。ケーシーが現れるとどうも場の雰囲気が欧米風になる。


「今は敵キャラとの距離を詰めるダッシュの操作に苦慮しているんです、先生。」


 ヨウヨウが若者達に代わって状況をつまんで補足する。この辺りは年の功、如才ないアラサー吉田羊子のらしい振る舞いだ。


「グラッチェ*。じゃあ、こんな秘密道具はどうかな?」


 [註]グラッチェ...本来は伊語でありがとうの意。ケーシーはこの合いの手を様々な場面で多用する。ここでは成程、と解するべき。


 ケーシーはニンマリと笑いながら、あんなこといいな、出来たらいいな♪と鼻歌をハミングしながら、手提げを探り始めた。


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。


・比留多 恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。


・日乃本 尊 ひのもと たける

 純と姉、音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・花崎 蘭子 はなさき らんこ

 高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さはやまいのレベル。


・源五先輩 げんご せんぱい

 純のクラスメートの留年生で高校二年生の3年目を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。


・ヨウヨウ ようよう

医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験のある、あざといアラサー。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンの空手家、ゲンの遣い手。


・デコ、ミッチ

 クー子の友達で純のクラスメート。

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