第25ターン 格ゲーゴレンジャー、特訓が始まった!
格ゲーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
格ゲージャパンJr大会に出場することになった純たち5人の若き格ゲーマー。
その5人のうち、純と比留多そしてクー子の三人はあのレジェンドゲーマー夢原省吾の弟子達、つまりチーム夢原所属だが源五先輩と蘭子の位置付けは曖昧だ。
二人とも夢原に直接指導されたわけでは無いから正式メンバーとは言い難い。彼らのポジションをあえて定義するなら、音楽バンドのツアーコンサートに参加するサポートメンバーのようなものと言っていい。ここは便宜上、格ゲーゴレンジャーと呼ぶことにする。
とまれ、彼らが各々のプレイキャラを決めた翌日から合同練習の日々が始まった。大会当日は主催側の粋な計らいからか、ロマンティックなクリスマスイブの日だ。当日まで既に一ヶ月を切っており、いち早くバトサン*に慣れる必要がある。
[註]バトサン...本作中に登場する格闘ゲーム
「何だか面白くなって来ましたねぇ~」
と、指先ばかりか口先も滑らかなのは源五先輩だ。クニオ君シリーズで鍛えたからか、源五先輩はビデオゲームのコツを掴むのが上手く、純らとの対戦練習を見ても中々の上達ぶりだ。
源五先輩が操る今作の主人公キャラ、総合格闘家ロークの火力が高め設定ということもあるが経験者の純やクー子を苦戦させている。
「好きこそ物の上手なれ」というが、若き色事師、源五先輩はどうも格ゲーが好きになったようだ。いや格ゲーが好きというのは不正確な表現かも知れない。
練習に来れば蘭子に会えること、勝てば蘭子にいいとこを見せれること、これが源五先輩のモティベーションになっているのだ。毎日熱心に努力すれば自ずと力量は向上する。
さて、その花崎 蘭子はというと、これまた順調に格ゲーの腕をあげている。罵詈雑言のJK、狂乱の令嬢は以外にも器用なタイプのようだ。
つづく
日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・クー子 くーこ
純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・日乃本 尊 ひのもと たける
純と姉、音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病やまいのレベル。
・源五先輩 げんご せんぱい
純のクラスメートの留年生で高校二年生の3年目を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。
・ヨウヨウ ようよう
医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験のある、あざといアラサー。
・花崎 誇 はなさき ほこる
格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンの空手家、ゲンの遣い手。
・デコ、ミッチ
クー子の友達で純のクラスメート。




