第22ターン 第3の格ゲー、『都市伝説』
格ゲーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
女子達のプレイキャラ選び。花崎 蘭子が選んだのはテコンドーの達人、アバズレのジュリーだ。そして我らが下町の太陽はというと、
「女子プロのセイント・リカはアタイの生き写し、あんなキャラでプレイしたいノダ。」
クー子の表情は割りと真剣だ。意外にも彼女も2次元の中にアイデンティティを見つけたティーンエイジャーだったのだ。否、豊田 真奈美選手への憧れが形を変えたものかもしれない。
「今回のバトサン*では、プロレスラーでは例のハシミコフだけ也か。今後の追加キャラに期待だが、、、」
[註]バトサン 本作中の格闘ゲーム、ロードバトラー3の略称
比留多 恭介が顎に手を当てて首をひねる。板についた芥川龍之介へのオマージュだ。
「追加キャラと言えば、『都市伝説』からの二人追加されているわよね。」
事務長ヨウヨウの言葉に比留多がその手があったかと膝を打つ。
「オイッ、ニヒル!『都市伝説』てなんだ?」
純の質問にヨウヨウが代わって答える。
「『都市伝説』は『ロード・バトラー』シリーズの後発に当たる他社製の格闘ゲーム。海外を中心に根強い人気があるシリーズよ。」
「あれえ、バトサン以外にも都市伝説とかザ・ナックルとか格ゲーは色々とあり過ぎなノダ〜」
と、クー子が戯けて見せると商業主義の所産也か、と比留多が呟きチクリと社会風刺をして見せる。
「何だよ、その都市伝説のキャラがバトサンで使えるのかよ?」
「そうよ、使えるワ。そしてクー子ちゃんにピッタリの魅力な女性ファイターがいるのよ。」
でも、ちょっとしたハードルがあってね、とヨウヨウが意味深に笑うのであった。
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・クー子 くーこ
純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・日乃本 尊 ひのもと たける
純と姉、音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病やまいのレベル。
・源五先輩 げんご せんぱい
純のクラスメートの留年生で高校二年生の3年目を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。
・ヨウヨウ ようよう
医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験のある、あざといアラサー。
・花崎 誇 はなさき ほこる
格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンの空手家、ゲンの遣い手。
・デコ、ミッチ
クー子の友達で純のクラスメート




