第184ターン 比留多、黒キャップの決意!
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
辞めろ、挑発に乗るな。熱つすぎる漢、赤道少年ドキッ!こと日乃本 純が好敵手の比留多 恭介に柄でもなく落ち着けとストップをかける。
甘酸っぱい思い出の柚葉から、まさか自分が恨まれているとは思いもよらなかったクールガイ比留多 恭介。らしさを失い謎の幼児、ヨミノナビ丸にたぶらかされたか、今にもコントローラーを受け取ろうとしている。
コントローラーを握ること、それはすなわち柚葉と対戦することを意味する。そしてその闘いはおそらくデスマッチルールになるだろう。負けた者には二度とコントローラーを握らせない、究極のレギュレーションだ。
「ひ、比留多、アタシと闘え!」
ゼェゼェと息を切らしながらも比留多に対戦要求を続ける元ヤンJKゲーマーの柚葉。
「そ、その前に柚葉どの、、どこかわるいの?、、」
明らかに体調不良と思われる柚葉。これが気になる比留多。すると意外な二人から答えが返ってくる。
「ニヒル、理由は聞くな。ゆずは調子が悪いノダ、、」
「彼女のその後は、静岡を後にしてからは何も知らないでしょ。比留多、安っぽい同情はやめておきなさい。」
何と仇敵同士のクー子と蘭子だ。二人は柚葉の体調不良、その原因をどうやら掴んでいるようだ。オルウェイズ丁々発止の彼女らもこの件だけは手を取り合う。
「邪魔するな!アタシは比留多と闘う、そりして恨みを晴らして、、終わらせる!」
震える背中を擦ってくれている万吉少年の手を払い除け、今度はクー子と蘭子を睨みつけながら元ヤンJKがいきり立つ。
「さぁどぉする比留多 恭介?汝はコントローラーを掴むのか、逃げ出すのか。」
埴輪のように無表情な美豆良の幼児、ヨミノナビ丸がニチャっと笑いながらコントローラーを今一度突き出す。
「、、柚葉どの、、もし小生が勝ったなら小生のハナシを聞いてくれる也か?」
負けるのはお前、そして二度と格ゲーをしないというのであればハナシだけは聞いてやる、と柚葉は悪態をつく。
「日乃本 氏、どうやら闘いは避けれないよう也。小生の攻めゲイル、見守ってくれ!」
意を決した比留多 恭介はレジェンド夢原 省吾から譲り受けたあのhマーク付きの黒キャップを脱ぎ捨てて、愛用キャラ、海兵隊員ゲイルを手早い操作で選ぶのであった。
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・む〜ど
純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。
・mako まこ
純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・佐久間 柚葉 さくま ゆずは
盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。
・先生 せんせい
リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、
・阪田 万吉 さかた まんきち
大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。
・アンコールズ あんこーるず
格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、




