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第180ターン 黄泉の国での再会

格ゲーマーの始祖、日乃本 たける。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!

 伝説の18連射はギミックではないか?ビデオゲームの創世記、所謂ファミコン世代の大立物ハシタカ名人の早打ち神話に不躾にも疑義を呈した罵詈戦車バリタンクこと花崎 蘭子。


 すると何かの祟りか、ハシタカ巨人像の両目がプロジェクターのような光線を放ち、それが地下道の壁面を照らした。そしてそこに現れたのロードバトラー3*のキャラ選択画面だ。


ロード...本作中の架空の格ゲー。シリーズは最新作で3作目


 突然のことに状況を飲み込めない純たちU18格ゲー日本代表候補。すると誰も操作していないにも関わらず、コントローラー1側のプレイキャラクターになんと純が愛用している武道家リョウが選ばれているではないか。


「こ、これは、きっと封印されたハシタカ名人の魂がワイらと闘うことを望んでいるンや、、」


 回転の早い万吉少年の言葉に一同がうなずく。しかし問題なのは、今、コントローラーがない。闘わなくっちゃ、プレイしなくっちゃ。でもコントローラーがない。


 刹那の間、そんな詩的フォークな情緒に純がふけっていると、気が付けばあの美豆良みずらの幼児、ヨミノナビ丸が両手にコントローラーを持ってうやうやしく頭を垂れているではないか。


 もはや若き格ゲーマー達はこのナビ丸の神出鬼没ぶりには驚くことなく、この地下迷宮ラビリンスでの超常現象を受け入れている。この地下道は何かが狂っている。


 そして埴輪のような無表情なナビ丸がニチャっと笑ってコントローラーを突き出す。さあ、誰がプレイするンだと言わんばかりに。


「アタシがやる、、」


 そう言ってコントローラーをナビ丸から受け取ったのはさっきまで体調不良を訴えていた佐久間 柚葉ゆずはだ。期するところがあるのか、ハシタカこんとの対戦の先鋒を買って出た。


「待て!待つんだ!!」


 柚葉がコントローラーを握り、プレイキャラを選ぼうとした時、後方から大きな声がした。そしてその声は柚葉にとって聞き覚えのある声だった!


「ゆ、柚葉どの!対戦を早まるな!」


 声の主はあの比留多 《ひるた》恭介きょうすけだ。柚葉が不倶戴天の仇とする、あの比留多が現れたのだ。


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。


・む〜ど 

 純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。


・mako まこ

 純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。


・クー子 くーこ

 純の親友マブダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。


・花崎 蘭子 はなさき らんこ

 高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さはやまいのレベル。 


・比留多 恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。


・佐久間 柚葉 さくま ゆずは

 盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。


・先生 せんせい

 リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、


・阪田 万吉 さかた まんきち

 大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。


・アンコールズ あんこーるず

 格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」


・日乃本 尊 ひのもと たける

 純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、

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