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第15ターン オレっち、ヨウヨウと対戦する

格ゲーの始祖、日乃本 たける。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!

「ちょっと、新事務長、我が医療法人の被用者。ゲームなんかしている場合ですの?仕事が終わったなら、トットと帰りんなさいよ!」


「そーだ、そーだ!とっとこハム太郎侍!」


 早くも純と源五先輩を籠絡した事務長ヨウヨウに嫉妬した花崎 蘭子が権限?を盾にして退去を命ずるとクー子もこれに便乗してヨウヨウ排除に走る。


 日頃は犬猿の仲である蘭子とクー子の停戦協定と共同戦線が一挙動に結ばれた格好だ。しかし、魅惑のアラサーヨウヨウはまるで動じない。残念ながらJK二人とは人生経験に開きがあり過ぎる。


「お嬢様、本日はワタクシは夜間救命の受付対応なんです。輪番の夜勤なんですの。」


 そう説明するとニッコリ笑って、そしてなんと純の両肩に手をかけながらこう言った。


「それに医院長先生から純くんに格ゲーを教えろって言われているんです。」


 じゃ、今度は純くんと対戦しようか、と純にコントローラーを握るように促す。医院長、すなわち蘭子の父親、Dr.ケーシー花崎の名前を出されたら蘭子も黙らざるを得ない。しかし、クー子は違う。


「ドクターは未だ純を利用するつもりなのか?格ゲーのリハビリは諦めたのではなかったノダ?」


 そもそも純が格ゲーを始めたのは入院費の無償化のためで、ドクター花崎の勧めに従ったものだった。 


 しかし先行研究があり、ドクター花崎の野望は潰えた。よって、ドクター花崎が純の格ゲーの練習をしろと言うのは変なハナシなのだが、、、


「純、その丸眼鏡の口車に乗らないノダ!そもそも怪しいハナシなのだ!」


 クー子が親友マブダチの純に注意喚起を必死に送るがすっかりヨウヨウに取り込まれた純の耳には届かない。


「おーし、オレっちも一戦、あ、つかまつるぅ〜」


 と先ほど源五先輩がたわむれてみせた歌舞伎の口上で返事するのだった。


つづく




人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。


・日乃本 尊 ひのもと たける

 純と姉、音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・花崎 蘭子 はなさき らんこ

 高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病やまいのレベル。


・源五先輩 げんご せんぱい

 純のクラスメートの留年生で高校二年生の3年目を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。


・ヨウヨウ ようよう

医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験のある、あざといアラサー。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンの空手家、ゲンの遣い手。


・デコ、ミッチ

 クー子の友達で純のクラスメート。

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