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第148ターン 第二の門番、赤いキャップの頑固者

格ゲーマーの始祖、日乃本 たける。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!

「オラこんな村いやだ〜♪東京さ出るだぁ〜♪」


 我らが熱血格ゲーマー純が懐メロよろしく異様なテンション。車椅子のハンドリムをフル回転させて地下トンネルを駆ける。つられたように万吉少年もわぁー、と叫びながらかけっこの要領で後を追う。 


 高校生ながらも未だに幼児的衝動が抑えられない二人の男子に蘭子と柚葉は流石に呆れ顔だ。純の親友マブダチクー子も擁護のしようがない。チンタラと純たちのあとを追う女性陣。


「おら、やかましいわ!黙らんかい!!」


 突然、地下トンネルに怒声が響くと純と万吉の足が止める。どうやら第二の門番が現れたようだ。


「おっと、二番目の関所に着いたらようだな。よう、おヌシ、この関所は何て名前なんだよ?」


 キキッと車椅子をドリフトさせて急停止した純が問う。目の前にいる男、およそ30歳前後か、赤のキャップ、はみ出したロン毛、そしてあごヒゲ少々にややタレ目ながらも眼光は鋭い。


「おぅ、東京のヤンキーはイキっとんな。赤い帽子なんて被りやがっ、、」


 先制口撃のさなか、万吉の目に入ってきたのはCのマーク、しかもそれはやや横長のCだ。


「こら坊主、カープ帽がそんなに珍しいか、わりゃ。」


 スウェットパンツを履いたその男の出で立ちはおそらくあのカラーギャングを意識したレトロ風なのだが(彼の中で時代が止まっている可能性も否定出来ないが)、キャップだけは拘りというか、また別のポリシーが垣間見られる。


 広島はワシの心にいつもある。どこにいても東京にいてもな、と言って親指で胸を指し、


ここはいつも広島のゲーセンにあるんじゃ。」


 赤キャップの迫力に今にも飲み込まれそうの純と万吉。しかし、少林寺で鳴らした純はギリギリの平静を保ちながら、ふん、言ってくれるじやあねえか、とイキがってみせる。


「ここは"胆力の門"じゃ。坊主らかわいがったるけん。」


 そう言うと男は純と万吉の顔を代わる代わる眺めながらコントローラーを突き出す。さぁ、どっちからワシと闘う?


 その時、白いく細い手がコントローラーを鷲掴わしづかみにすると、物凄い勢いで奪い取る。


「、、センパイ、探したよ。やっと見つけた!!」


 柚葉だ。その奥二重の瞳が赤キャップの男を燃え上がるような熱量で見つめている。


つづく



人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。


・クー子 くーこ

 純の親友マブダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。


・花崎 蘭子 はなさき らんこ

 高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さはやまいのレベル。


・源五先輩 げんご せんぱい

 純のクラスメートの留年生で3年目の高校二年生を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。


・比留多 恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。


・日乃本 尊 ひのもと たける

 純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・ヨウヨウ ようよう

医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験がある、あざといアラサー。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンな空手家、ゲンの遣い手。


・デコ、ミッチ

 クー子の友達で純のクラスメート。

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