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第14ターン オレっち、格ゲーの猛者ヨウヨウに赤面

格ゲーの始祖、日乃本 たける。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!

 何か懐かしいなぁ〜といいながらコントローラーを手に取った新事務長のヨウヨウこと吉田ヨーコ。対戦しよっかと、源五先輩に声をかける。


「望むところ。あ、一戦、つかまつるぅ〜」


と、歌舞伎の口上よろしく応諾してみせる源五先輩。彼は何のつもりなのだろうか、意図を測りかねたクー子が目をぐるぐると回す。


 ともあれ、源五・ロークに第2戦目が始まる。ヨウヨウはプレイキャラに中国拳法の達人チャンリーを選んだようだ。


「ワタシはローバトよりもザ・ナックル派なんやけどね。」


と、言いながらスタートボタンを押す、ヨウヨウ。純が怪訝な顔でクー子に助け舟を求める。


「オイッ、クー子。ローバトとか中核派とかどういう意味だ??」


「多分ローバトはロード・バトラーシリーズ*のことなのダ。で、何とか派ってのはアタイも分かんないヨ。多分、庶民派とか二階派とかなんかそんな感じじやあないかな〜」


[註]本作中の架空の格闘ゲーム。


 さっすがクー子と褒めそやす純。そこに花崎 蘭子が混ぜっ返す。クー子に対抗したいのだろう。


「マッタク何を言ってるのやら!ナックル派というのは実話ナックルズの愛読者って意味ざましょ?」


 三人の無意味な会話をよそに対戦は一方的な展開を見せた。すなわち、わずか20秒程度で、ヨウヨウ・チャンリーが源五・ロークを一蹴したのだ。所謂パーフェクトKOである。


「ローバトは久しぶりやけど要領はザ・ナックルと変わらんね。格ゲーは一つ、なんてね☆」


 両手を上げて頭の真ん中で猿ポーズを作るヨウヨウ。戯けた仕草が純と源五先輩の頬を染める。元が美人だとなんでも許される。


 どうやらザ・ナックルが格ゲーの一種であることが分かったが、男どものハートを一瞬にして鷲掴みにしたヨウヨウにクー子と蘭子は烈しい殺意に煮えくり返っていた。


つづく



人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。


・日乃本 尊 ひのもと たける

 純と姉、音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・花崎 蘭子 はなさき らんこ

 高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病やまいのレベル。


・源五先輩 げんご せんぱい

 純のクラスメートの留年生で高校二年生の3年目を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。


・ヨウヨウ ようよう

医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験のある、あざといアラサー。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンの空手家、ゲンの遣い手。


・デコ、ミッチ

 クー子の友達で純のクラスメート。

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