第134ターン 潜入!ゲーマー達のラビリンス
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
突如として元帥記念公園に現れた地下迷宮への扉。否、それは予め設えられたものかも知れないが、純らフレッシュゲーマー達は驚きを隠せない。
「さあ、右でも左でも。好きな方から入って下さいね。」
主催スタッフが、重ねて格ゲー日本代表の卵たちに勧めるが不安が先立つのか、純も含めて皆が二の足を踏む。当然だろう。
その時、ジャスト・ウエィト!大きな声を上げて主催サイドに注文を付けたのは意外にもあのビックバットだ。彼がオゥガナイズする格ゲー常任理事国からはアンとアングリーバットが候補として選ばれている。
「いくらエクササイズとはいえ、得体の知れない迷宮なんぞに大事なプレイヤー達を送り込むことなぞ出来るか!」
マネージャーとして、ティーンズを預かる大人として至極真っ当な発言のビックバット。彼独特の父性的抑圧性もこのようシチュエーションでは頼もしく映る。
「いや、迷宮は言い過ぎました。戦中に掘られたものにはちがいありませんが、私達も一度入ってみて安全性を確保しているので。」
「オイッ、ビック!心配いらねえぜ、オレっちは左から入らせて貰うぜ。」
そう言うとアンぱん、おめえはどうするんだよ?と地下迷宮の階段に降りていく純。
「あ、アタシは純クンが来いっていうなら一緒に行ってもいいけど、でもね、女の子ってそういうデリカシーのない誘い方には反発したくなっちゃうものなのよ、だから、」
「それなら四の五の言わずに早く行くノダ!」
と、クー子に後ろから蹴っ飛ばされて右の階段から穴に落ち込んだアン・コールズ。これを潮に残りの候補者たちもラビリンスに降下する。
アタイも行くノダ〜、一言ご発声のうえ、左の入口から階段の手すりに半ケツを乗っけて迷宮に滑り込むクー子。
「ちょいと待ちなさいよ!多重債務者、あんただけが馬鹿ゲーマー(純のこと)のセコンドでなくってよ!」
そう言って罵詈 製造機、花崎 蘭子も左の入口から地下に潜入するのであった。
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・源五先輩 げんご せんぱい
純のクラスメートの留年生で3年目の高校二年生を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。
・ヨウヨウ ようよう
医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験がある、あざといアラサー。
・花崎 誇 はなさき ほこる
格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンな空手家、ゲンの遣い手。
・デコ、ミッチ
クー子の友達で純のクラスメート。




