第133ターン オレっち、迷宮の扉を開ける!?
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
会場を後にとしようとした純たちチーム夢原の面々と日本代表Jr候補たち。そこにストップをかけたのは大会主催側のスタッフだ。
何と大会終了直後に早速トレーニングを始めるというのだから、何とも忙しないハナシだ。時間帯としては夕刻に迫りつつあるが、高校生なら門限という時間帯ではなかろう。
「早や候補たちと競わせようとする寸法か。それとも、、」
チーム夢原のヘッドコーチ、む〜どが運営サイドの思惑に想像をめぐらせるが確たるイメージは出てこない。が、そもそもからしてこの大会には何か大きな裏が、陰謀めいたものがあるように思えてならない。
しばし瞑目するむ〜どの側に初老の男が近づき声をかけてくる。
「お、む〜ど、やったな!お弟子さんの中から代表候補が選ばれて。」
「あ、編集長、、来られてたんですね。」
「ああ、ウチも共催の端くれだからな。一応はご招待いただいてさ。」
ま、いい流れになったんじゃない?運営側としてもさ。上出来だよ、と編集長某氏はむ〜どに親しげに語りかける。む〜どはどこかぎこちない素振りで曖昧に返答する。それを横目で見遣るもう一人のコーチmako。ゲーム雑誌のデスク、上司か、、
「いいですか〜代表候補の皆さんには今からちょっとしたゲームに参加してもらいます。ロープレみたいなことをするンですが。」
デヘヘと、ワザと品なく笑ってみせる主催スタッフ。おそらく30歳前後と見られるその男は、どこかしら高校生達に阿っているように見えて、そのスタンスは悪手ではとmakoは首を傾げる。
「ちょっと迷路に入ってもらって、出来るだけ早く脱出して下さい。その順番を候補の中での序列付けに活用するので。」
主催スタッフがそう言うと対戦ブースに据えられた左右のゲーミングチェアが退け、その真下の合板を外すとなんと地下に通ずる道が掘られているではないか!
「さぁ、右でも左でも、好きな方から入って下さい。」
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・源五先輩 げんご せんぱい
純のクラスメートの留年生で3年目の高校二年生を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。
・ヨウヨウ ようよう
医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験がある、あざといアラサー。
・花崎 誇 はなさき ほこる
格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンな空手家、ゲンの遣い手。
・デコ、ミッチ
クー子の友達で純のクラスメート。




