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第13ターン 美人事務長ヨウヨウは格ゲーマー

格ゲーの始祖、日乃本 たける。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!

 丸眼鏡の奥の瞳は黒く潤み優しく微笑んでいる。艶のあるセミロングの髪の色は大人しめのカラーで品がある。


「格ゲー、楽しい?君たちが夢原さんのお弟子さん?」


 挨拶抜きでいきなり声をかけてきた歳上の佳人に高校生達は不意を突かれ刹那だまり込んでしまった。あの人を食った花崎 蘭子さえ沈黙したのだから余程の存在感だ。


「え、あ、あなたはどちら様?いきなり不躾ですわね!アタクシはこの病院の跡取り花崎 蘭子ですわ、ア〜ハッハッハ!こんな馬鹿ゲーマー達と同じにしないで下さる?」


 わずかでも気圧けおされたことが許せなかったのか。自尊心の塊、蘭子が自己紹介で失地を挽回する。この場の所有者オーナーは自分だと。


 すると丸眼鏡の女性は意外なことを言ってさらに純らを驚かせた。


「あ、これはお嬢様。お世話になります。ワタシは花崎会ここの新しい事務長です。吉田 ヨーコ、ヨウヨウと呼んで下さいね。」


「オイッ、何だその丸眼鏡は!斉藤ゆう子か?アラレちゃんか?」


 突如現れた人物の口から師匠夢原の名前が語られたことに警戒心を隠せない純。悪口でオールドスクールなジャブを打つ。するとクー子も黙っちゃいられない。純に相乗りする、いつものツープラトンだ。


「事務長?前の事務長は裏切ってたノダ!純の診療情報を横流してたノダ!お前も仲間か?」


「え、ちよっと藪からバットに。前の事務長さんがトラブったのは知ってるけど。横流しとかは、、」


 新事務長のヨウヨウは両の眉毛を八の字にして殊更に困ったという表情を見せた。()()()()が憎い。


「それにしてもゲームセンターのコーフンそのままだね!ワタシも名古屋のゲーセンが懐かしいなあ〜」


 ヨウヨウはそう言うと、純からコントローラーを奪ってプレイに入る仕草を見せた。


つづく



人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。


・日乃本 尊 ひのもと たける

 純と姉、音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・花崎 蘭子 はなさき らんこ

 高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病やまいのレベル。


・源五先輩 げんご せんぱい

 純のクラスメートの留年生で高校二年生の3年目を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。


・ヨウヨウ ようよう

医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。どうやら格ゲーをプレイしていたようだ。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンの空手家、ゲンの遣い手。


・デコ、ミッチ

 クー子の友達で純のクラスメート。

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