第114ターン アジア最強決定戦?アシッドVSシン
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
格ゲー常任理事国と難波どてRISEの決勝進出をかけた戦いは次鋒戦に突入している。すなわち、常任理事国のアングリーバット(アシッド使い)とナニワのソックリーズ・ヒロシ(ダル・シン使い)の対戦だ。
まずはヒロシ・シンが火炎口撃で牽制。これに対してアングリー・アシッドは距離をあえて詰めず、砂嵐を飛ばして牽制のお返し。
あくまでも弾打ちで距離をとるヒロシ・シン。ひたすらに火炎口撃を擦り続ける。ローリスク・ミドルリターンを狙うリアリズムはある意味では大阪商人の伝統芸とも言えるだろう。
純が苦笑しながらヒロシのプレイスタイルを揶揄する。
「けっ、相変わらずミミッチイことしてやがんな、五分刈り眼鏡は。」
「そう言えばアングリーもハゲ眼鏡ナノだぁ。」
クー子が見た目の共通点を素直に披瀝すると、あ!いけないんだーそれってルッキズムって言うのよと、赤毛のゴスロリことアンがクー子に当てこすり。非難と知識マウントのダブルインパクトだ。
が、言うまでなく反知性の輩、クー子と純にはまるで無効なレトリックであって、二人ともアンの言ってることが皆目分からない。
イズムってなんだよ?クー子、きっとおしゃれイズムのことだよ(ヒソヒソ)。
そんなやりとりをよそにシンとアシッドの激闘はつづく。
シンの火炎口撃は実はアクションが大きく隙を作ってしまう。そこにアシッドが狙いを定めて大K、スライディングキックで足元をすくう。
弾打ちが無効化され焦るヒロシ・シン、今度はシンの十八番、腕を延ばしてゴムゴムパンチで攻撃するが、アシッドはこれをパリィで捌く。そして高速ダッシュで接近して連打を重ねる。
アングリー・アシッドのスピードと試合巧者ぶりにヒロシ・シンは一度もまともに攻撃できないでいる。
「そもそもシンの長距離攻撃は強力だが、如何せん硬直が長い。アングリー君は完全に見切っているね。」
チーム夢原のヘッドコーチ、む〜どがこの対戦のアングルを概括すると、思考回路が未だにコロコロな純が嬉しそうに言う。
「固くて長いってよお、なんか○ンコみたいだなあ、ウヒャヒャ!」
「アホっ!何を○○ぢゃらすじーさんみたいなこと言って喜んでんのよ!」
コーチmakoが純にゲンコツを落とし女の子らに謝りッ!と叱りつける。そして、フレームのハナシ、憶えてる?と純を眺め込む。
なんだよ、またフレームかよ。あーオンラインで親切なオッサンと反復練習したぜ。きっとありゃ、オレっちのリョウのフレームを意識させてくれたんだろうよ。
純とmakoの会話が耳に入ったのか、初戦を勝利したセンが一作目は"僕のおじいさん"、なんだよね、とボソリ。ドリンコの酔から醒めて何ともマニアックなトリビアの披露する。
根クラも根アカもない、小3小4は男子達の解放区だ。
いよいよアングリーとヒロシの対戦は終わりをむかえる。一方的にアングリー・アシッドが容赦なく攻め立てる。ダッシュして中K→中P→大砂嵐の見事なコンボでシンを地面に叩きつける。
アシッド、ウィン!アングリーバットがソックリーズのヒロシをパーフェクトK.O.した。
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・源五先輩 げんご せんぱい
純のクラスメートの留年生で3年目の高校二年生を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。
・ヨウヨウ ようよう
医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験がある、あざといアラサー。
・花崎 誇 はなさき ほこる
格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンな空手家、ゲンの遣い手。
・デコ、ミッチ
クー子の友達で純のクラスメート。




