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第105ターン ヨウヨウVS谷カナ、そして人参娘

格ゲーマーの始祖、日乃本 たける。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!

「ただ今から日本Jr代表候補戦、第二回戦ベスト8を開始します!」


 司会進行の暇でしょ?先生が高らかにクオーターファイナルの開会を宣言したかと思いきや、


「と、言いたいところですが、、」


勿体もったいを付けて何を言い出すかと思えば、ベスト8を競う為の格ゲー、ザ・ナックル2のエキシビションマッチを行う旨を周知する。


「それではザ・ナックルのプレイヤーとして有名な二人のレディに登場してもらいます!谷カナさん、ヨウヨウさん、ゲーミングチェアにお進みください!」


「オイッ、クー子!ありゃ事務長じやあねえのか?」


「あ、あざとい三十路ミソジニィー!守銭奴(蘭子のこと)の応援とかなんとか言って、これが本当の用件だったノダ!」


 観衆に手を振りながら対戦ブースに向かう事務長ヨウヨウ、そして対戦相手の谷カナなるプレイヤーもゲーミングチェアへと歩を進める。


「オイッ、クー子!タニカナってどっかで聞いたような、、」


「純、そいつはマナカナだよ。ほら、えーと双子のさぁ、、、」


「あ〜あれか、金さん銀さんの孫っていう!」


 そう、それだよそれ!と膝を打つクー子とどうだと言わんばかりに鼻をこする純。彼らの完全なる誤解は誰にも止めれない。


「フンッ!事務長の()()で出過ぎたマネを。お父様に言いつけてやらなきゃ!」


と、プリプリと()()()小さな暴君、花崎 蘭子。やや地味めなアラサーゲーマーがここではヲタサーの姫よろしくヒロイン扱いなっていることが何処か面白くない根アカのJK。否、彼女も"高校デビュー"の嫌疑が晴れたわけではない。


 とまれ、二人の女性プレイヤーによるザ・ナックル2のエキシビションマッチが始まった。これを真剣な眼差しで見つめる格ゲー常任理事国の面々。


「おーい、赤毛のアンパンマン!おヌシ、ザ・ナックルやったことねえなら、しっかり見とけよぉ〜」


 純が理事国のエース、アン・コールズに手を降って声をかける。クー子と蘭子がムッとする。


「純クン、アンパンマンはちよっと失礼だわ。その上“見とけ”って、乱暴な言い方もいただけない。もうちょっと詩的な言い方はできないのかしら?」


 と、注文をつけながらも頬が赤くなるアン・コールズ。それを見咎めたクー子がチクリと批評家精神クリティカルな一面を見せる。


「髪の毛も頬も赤くなっちゃって。まるでニンジン娘なのダ。トシちゃん25歳はいい歌を唄ったねぇ。」


 そしてヨウヨウと谷カナのバトルを眺めながら一本でも人参、二足でもサンダル♪と鼻で歌いはじめるのであった。


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。


・クー子 くーこ

 純の親友マブダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。


・花崎 蘭子 はなさき らんこ

 高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さはやまいのレベル。


・源五先輩 げんご せんぱい

 純のクラスメートの留年生で3年目の高校二年生を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。


・比留多 恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。


・日乃本 尊 ひのもと たける

 純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・ヨウヨウ ようよう

医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験のある、あざといアラサー。


・花崎 誇 はなさき ほこる

 格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンな空手家、ゲンの遣い手。


・デコ、ミッチ

 クー子の友達で純のクラスメート。

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