表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/115

第1ターン オレっちは純!

格ゲーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して立ち上がる。涙と感動の格ゲー小説。

 「・・・それで伝説の聖剣、エクスカリバーが突然空から舞い降りてくるの!」


 太刀光秀子こと、デコの熱弁が止まらない。どうやら流行りのライトノベルのハナシをしているようだ。


 放課後のあんみつタイム。駅前のカジュアルなデパートでの顧問不在の部活動。最近はデコの文学論?が姦しい。


 「あれはメタファーだね、ゼッタイ。」


 この手の若者向け小説のモチーフにはしばしば西洋の伝承が引用される。文学少女の力説にクー子とミッチはチンプンカンプンだ。


 そもそも文字と数字が大嫌いなクー子。あたかも文明を拒絶した未開人、いわば下町のミッシングリンク。メタファー?さっぱり判らんノダ!


 そんな仲間達との他愛ない晩秋の日々。人生最大のホリデー、高校二年生を堪能しているクー子。


 しかしクー子が気掛かりなのは我らが熱血格ゲーマー・日乃本 純のゲーム熱が一向に上がってこないことだ。すっかりダラケきっている。


「純、シッカリするのら〜」


先日、堪らずクー子が純を嗜めると、


「ウッセイぞ、クー子!」


と純がクー子に取り合わない。


 神獣倶楽部との決戦で明らかとなった純の出生の真実。そして目指すと宣言したプロゲーマーの道。それは茨の道、父への道だ。


 が、横浜の関帝廟決戦から一ヶ月が過ぎたにも関わらず、純の練習のピッチが中々上がってこない。


「だいたい、新しいロードバトラーがムズ過ぎるンだよ!やる事が多くて面倒クサいのじやあ〜」


 どうやら純はバトツーの後継作、バトサンの仕様が不満なようだ。


 年末商戦に向け新発売となったプレイステーションスリー、PS3と同時発売となった格闘ゲームの代表作、ロードバトラー3。


 通称バトサンにはガード技や高度な攻撃法が新たに実装され、格ゲーファンの間では話題沸騰となっている。が、闘う単細胞、純には中々ハードル高いようだ。


つづく

人物紹介


・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称は俺っち。


・クー子 くーこ

 純の真ダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。女子プロレスラー、セイント・リカの遣い手。


・日乃本尊 ひのもと たける

純と姉、音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。


・デコ、ミッチ

クー子の友達で純のクラスメート。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ