14話「門番」
「こんばんは。門兵のラングラーと申します。検問のために馬車を止めさせてもらいましたが、今回どのような目的で?」
ガシャガシャと金属同士がぶつかり合う音を響かせながら、御者の隣に来た男性。銀色に光る甲冑を着こなし、手には長い斧槍を持っている。
「農具と種を買いに来た。あと、この子供をこの街に送り届けに来た」
モンバルは淡々と目的を答え、兜の奥にあるであろう眼を凝視する。老人のその不思議な圧に軽くうろたえながらラングラーは続けて荷台にいる子供たちへと視線を移す。
「なるほど、君たちはどうしてこの街に来たかったのかな?」
「俺たちは、あそこにいる女の子と一緒に『アラン魔法学校』に入学するために来ました」
「!?」
驚愕した表情が兜越しでもわかるほど大きくうろたえる門兵。彼がまごつくことも理解できる。
この街に新たに設立された『アラン魔法学校』。アランとは扉を開く者の一人の名前だ。簡単に言ってしまえば『アンブルグ』の街を造り上げた人である。
そんな偉人の名を関した魔法学校はこの世界初の魔法教育施設。柔軟な若者の発想を糧にして魔法分野を躍進させることを目的として設立され、今まで特定の機関のみ研究が許されていた『魔法』という分野を一般の人でも学ぶことができる画期的な施設だった。
設立にあたっては様々な意見が飛び交い、賛成派と反対派の激しい争いにまで発展するほどだったが、最終的には設立へと至った。
そんな歴史的にも大きな建物となる場所に第一期生として入学する子供が目の前にいる。もちろん先生のコネだが、門兵は知る由もない。




