⑦三大極道組織の一つ、千代田会と激突。
三大極道組織のうちの一つ。千代田会。
三大極道組織とは規模のトップ3だが、千代田会は屈指の武闘派組織。
そんな組織と激突してしまった。
武田がまさかの死の淵…
私の名前は五十嵐。武闘派組織ストームのトップだ。
先日、大物政治家の黒岩さんと同盟関係にすることに成功し、豪華なアジトを手に入れた。
そしてこの会議室で初めての幹部会を開いている。
「てなわけで、これから私たちの目的と同時進行で黒岩さんからの要請で暗殺の仕事も追加になります。」
幹部は私、飯田、山崎、月島、武田、伊澤の6人だ。
「そして、この組織の中心戦力となるものを8人ほど定めようと思っています。今のところは武田さん、辰巳さん、王虔さん、結月さん、ライアンさんの5人です。あと3人をどうするか、」
伊澤は
「なら、もう1回SAを使うのは?」と言う。
しかし、全て金で買うのは面白くないし欠点がある。
「それも良いですが答えはNOです。今回のように完成された武闘派を必ず買えるわけではない。中には不良品や成長途中もあるはずだ。だったら歴戦の猛者を吸収した方が確実です。」
「つまり、他の組織から武闘派を吸収するってことかしら?」
「その通りです山崎さん。では、あなたは武闘派組織を洗い出してください。それを情報部隊を通じてはその組織にアポを取ってください。」
いよいよ組織らしくなってきた。
「それでは第一回ストーム幹部会を閉会します。」
***
事務室で私は窓の外を見る。
「海が見えてとても綺麗だ。」
ついこの間、この手でクラスメイトや先生たちを殺めた。もう後戻りできない。そして後戻りするつもりはない。
この思想が、私の考えが無茶で間違ってることはある程度分かっている。だが、誰かが立ち上がらなければなにも変わらない。
…ぶれるな。この手は真っ赤に汚れている。裏社会にも足を踏み入れた。私はこの世界を望んだ。
考えが、思いが、ぶれる。
そう思考を回していたら1本の電話がかかってきた。
「はいもしもし。あ、黒岩さんですか。」
「ああ。新しいアジトはどうだ?」
「おかげさまで、素晴らしいできです。本当にありがとうございます。」
「早速だが、消してほしい人がいる。」
「誰でしょうか。」
「S工業高校の北村って人だ。」
「…その学校は私たちが壊滅させたはずですが、」
「生き残りがいた。ソイツが私とお前らの関係に探りをいれている。」
「左様でございますか。なら、責任を持って北村を消しましょう。」
「頼んだぞ」
そういうと電話が切られた。
初仕事だ。失敗はできない。
そうして私は2人の男を呼んだ。
「…というわけで、頼みますよ?武田さん。王虔さん。」
「任せろ」「かしこまりました」
「あの学校を壊滅させた組織と知りながら1人で大物政治家と私たちに探りを入れるのは考えにくい。何かしら後ろ楯がいると踏んでいます。もし、その後ろ楯が出てきたら殺しても構いません。」
「俺たちに手を出したらどうなるか分からせてやる」
そう言い残して去っていった。
あの二人なら事足りるでしょう。
***
俺の名前は武田。ストームの武闘派だ。
隣の偃月刀を持ってるコイツは王虔。コイツは暗殺一族の時期当主で勿論バカ強い。
五十嵐さんからS工業高校の北村と言う男の暗殺を命じられた。
「まずはやつの動向を探らないとだな。」
王虔が言う。
「ああ。だが、それは伊澤たちにやらせてお前と俺は、やつが居る可能性の高い東京に行くぞ。」
「分かった。」
ー数日後ー
「伊澤から連絡が来た。」
「なんだって?」
「やつは今、施設に入っているようだ。」
「外出して俺たちを探っているわけか。ならば、その施設に侵入して消すのが早いな。」
「ああ。建物の構造やドアのロックの暗証番号も送られてきたから今夜忍び込むぞ。」
そして夜になった。
俺たちは入り口の前に立っている。
入り口のオートロックを開けて堂々と侵入した。
深夜2時だ。誰もいないはず。
そうして2階の北村の部屋に着いた。
「フッ…流石にあんなことがあれば、施設入りになるのも当然か」
王虔がドアを蹴破る
ドン!
次の刹那
なんとナイフが飛んできた
ヒュッ ヒュッ
「ヌウッ!」「ハァアアッ!」
俺は右肩にナイフが刺さってしまったが、王虔は避けて見せた。
王虔が前に出る!
「ウラァアアアアア!!!!」
そしてとんでもない威力の横那ぎを繰り出す。
ブォオンッ!
しかし、それは空を切る
そのつぎの瞬間。
バリンッ!
窓ガラスを突き破る音がした。
「クソッ!電気付けるぞ!」
俺は電気を付けたが遅かった。
この部屋にはもう誰もいなかった。
「まさか、さっきのは北村か?」
「そのようだな。気配は1人だった。」
想定外のことが起きた。
「とりあえず、五十嵐さんに報告だ。」
「ああ。」
その帰り道のこと
「…いるな?」
「ああ、追っ手だな。」
そして俺らは路地裏に入る
「出てきたらどうだ?」
俺は振り返りそう言った
すると1人の男がヌルりと影から出てきた。
「…君たちぃ、北村をぉ、狙っているなぁ?」
「ああ。今すぐにでも殺してぇ。居場所を教えてくれれば殺さないでやる」
俺は啖呵を切って左手にナイフをもった。
すると
「…ずいぶんとぉ、上から目線だなぁ、死ぬのはぁ…お前らだからなぁああああ!!!!」
とんでもない殺気だ。
俺と王虔は構える
次の瞬間!
ヒュッ ヒュッ
ナイフが飛んできた
「グハッ!」「武田さん!」
クソッ、また喰らっちまった…
何とかずらしたが脇腹に刺さった。
だが、この黒塗りのナイフ。さっき肩に刺さったのと同じだ。だが、飛んでくるのはやはり見にくい。
そしてさっきのカラクリがなんとなく見えてきた。
俺は脇腹に目をやってそう考えていた
するとなんと
「…戦闘中にぃ、敵から目線をぉ、切っちゃダメだろぉ、」
「グハッ!」
やつはもう目の前にいた。
畜生…いきなり袈裟を落とされた。
見えにくいがやつの武器は黒塗りの鎌、しかも二刀流だ。だが問題ない。
「王虔。お前は一旦見てろ!」
「…分かった」
「1対1かぁ、優しいなぁ、後悔することになるけどなぁ、」
「…へッ。北村に着いたこと、逆に後悔させてやる」
「啖呵を切っても同じだぁ、」
次の瞬間!斬撃の嵐が降り注ぐ!
シュシュシュシュシュシュシュシュッ!
「グォオオオッ!」
悔しいが躱しきれない…だが、見えた!
「ここっ!」
そうして俺はやつの左手首を掴んだ。
「ハアッ!」
俺は一本背負いを仕掛けた。
見事にソイツは寝転んだ
「おお」
そして俺は容赦なく首を踏みつけにかかる
「ウリャアアアッ!!」
ドオオオン!
「当たらねぇなぁ、」
そして当然のようにカウンターの逆袈裟が飛んでくる。
ブァアアンッ!
「ガハァアアッ…」
だが、振り終わり!隙ありだ!
「隙ありぃいいい!!」
そうして俺のナイフがやつの土手っ腹を横一文字に捉えた…と、思ったら、
「…こんなの当たる方が難しいなぁ、」
なんとやつは当たり前のように避けやがった
そこで止まったのが悪かった。
「終わりだぁ、」
クナイが2本飛んできた。
「グォオオオッ!だが見えぇえる!!」
やたら正確なのが眉間と鳩尾に飛んできたが何とか、かするだけで済んだ…はずだった
「お前ぇ、体勢悪いなぁ、」
やつはもう制空圏にいた
フッ、予想外を何回もしてくれる…
ならこっちもやってろう
「今だ!王虔!」
すると上から王虔がいきなり偃月刀を振りかぶって落ちてくる!
「ハァアアアアアアッ!!!」
「フンッ、」
バァアアアアアン!
それはコンクリの地面を叩き割る威力
だが…
「想定内だなぁ、あの時視線から切れた時には予想していたぁ、ガキの考えることなんかお見通しだなぁ…」
分かる。今の俺たち、少なくとも俺じゃ逆立ちしても勝てない。
「…お前、どこの誰だ」
「俺かぁ?良いぜぇ、教えてやろぉ、俺は千代田会のぉ、牛久だぁ、死ぬ間際に思い出せぇ、」
そうか、北村の後ろ楯は分かった。
ならば、
「分かるな?王虔」
「ああ」
「ずらかるぞ!」
そうして煙幕を張って逃走した。
「…小麦粉の煙幕かぁ、お粗末だなぁ、まぁこれがガキの限界だよなぁ、逃がしても問題はなさそうだから今回は逃がそぉ、」
***
私の名前は五十嵐。事務室で王虔の報告を受けるマフィアのトップだ。
「…そうですか。まぁ、後ろ楯は分かったことですし生きて帰ってきてくれて何よりです。しかし、武田さんが病院送りですか、」
「…申し訳ありません。必ず任務を成功できると言っておきながらこの様、」
「…いえ。問題はありません。その千代田会を潰せば良い話ですので。」
「…ありがとうございます。失礼致します。」
そうして王虔は去っていった。
そして私はある男を呼んだ。
「ライアンJr.…あなたに試練を与えます。」
「何なりと」
「千代田会の牛久という男と北村を殺せ。ちなみに北村が最優先事項です。道中で邪魔するやつは容赦なく消してください。」
「…お言葉ですが、千代田会は三大極道組織のうちの一つ。あくまでも三大というのは規模の話だが、前回の房総会とは戦力がまるで違います。本物の武闘派組織です。今のこの組織で千代田会相手は荷が重いかと、」
「それはそうです。ですのでこちらも強力な後ろ楯をつけましょう」
「どこをですか?」
「東海を本拠地として中日本を領域としている武闘派組織、神成組だ。」
「神成組ですか…たしかあそこは組長が退いた後、誰も後を継ごうとしないで空席になっている組ですよね?」
「そこが狙い目です。こちらは吸収して武闘派の獲得、向こうはトップの獲得。WinWinな関係ということです。」
「合併をすると…」
「そう言うことです。ですので思いっきり暴れてきてください。」
「承知。このライアンが受けて立ちましょう。」
「実に頼もしい。魅力的だ。」
そうして事務室は私1人になった。
そろそろ金稼ぎをしなければならない。
実は結月を南米に武器の調達に行かせている。
それで金がほとんどつきる
元々千葉の極道が見守りしていた店から守り代をもらって稼ぐか…
薬を捌くか、
神成組も薬物には否定的な組織ではない。
そしてこの後、大戦争が起きることになるなど誰も予想していなかった
ここに出る場所や人物は全てフィクションです。