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福神




 嘘か真か。

 節分の日に各地の神社で行われる豆まきに当たりまくれば、鬼から福神に変化できるという言い伝えが、鬼界に残っていた。

 嘘だろうと表面では笑い合いながらも、内心では真なのではと信じていた。

 節分なんて嫌だな、かったりなあ、誰が好き好んで豆に当たりたがるかよいってえじゃんとしかめっ面で言い合いながら、早く来ないかと節分を切望していた。

 福神になって、この峻烈を極めた鬼界から逃げ出したかったのだ。




「よっしゃばっちこーい!!!」


 節分神社に狙いを定めた赤鬼は、一回目でなかなか豆を当てられなかった事にひどく落胆しながら、二回目の豆まきで気持ちを切り替えた、事が功を成したのだろうか。

 集中的に豆を当ててくれる優しい方がいたのだ。

 どうもどこかで見たような気がする方だったが、思い出せない。

 申し訳ない、ありがとう、ありがとう。

 赤鬼はとびっきりのさわやかな笑顔を浮かべて、嬉々としてその豆を受け止め続けた。

 福神になりたかったのだどうしても。











(2024.1.31)



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